第6章 少女、過去、小さな反乱、拘束。
俺はおじさんとどこかに向かった。昨晩この街が帝国領になったからか街はざわついていた。街には帝国旗がたくさん飾ってあった。帝国の騎士たちが巡回している。喫茶店のようなところに着いて中に入った。
「君が来てからもう2週間くらいかな、、、」
「はい、もう2週間になりますね。」
コーヒーを飲みながらおじさんは言った。
「あの子はフローズンレイクというところ住んでいたんだ。両親と一緒にな。しかしある日帝国の奴らが攻めてきて帝国領になってしまったんだよ。そうしてあの子の両親は街を取り返そうと街の人たちと協力して反乱をしたんだ。」
俺はパンと牛乳をむさぼりながら聞いていた。
「父がリチャード、母がエヴァだ。両親が反乱をしたが帝国の制圧部隊により鎮圧。反乱に関わった家族、そう、反乱に関わったマッケンジー一家は処刑されることになった。しかしな、レイは逃げたんだ。両親が隠したから。帝国のやつらは一人の子供に対し卑怯な手を使った。『出てこなければ両親を殺す。』と、、、」
俺は絶句した。あの子がそんなことに関わっているとは思わなかったからだ。
「そして目の前で両親を殺された、、、」
「!?」
そんなことまで、、、帝国が両親を奪ったことは聞いていたが殺されたなんて聞いてなかった。
「先に食事をしよう。飯がまずくなる。食べ物に罪はないからな、、、。すまないね、こんな話をいきなりして。でもいつかしないといけないと思ったんだ。」
「そ、そうですよね、、、」
返事に困った。自分は驚きを隠しきれていないようだ、、、驚くのもつかの間、レイの家の近所の人が店に慌ててはいってきた。
「カトリーヌさんっ!!レイちゃんが!!レイちゃんがぁっ!!」
「なに!?レイがどうした!?」
「帝国の騎士に石を投げたら捕まってしまって、、、俺は、小さい子のやった事だろうと言ったんだが帝国の奴らは聞く耳を持たなかった、、、」
「い、い、今レイはどこにいる?」
「ついてきてくれ!」
慌てて店を出た。そうして近所の人についていった。するとレイが騎士に囲まれていた。
「レイ!!」
おじさんが叫んだ。すると騎士がこちらを向いた。
「この愚か者の親か?」
どこかで見たことあるごつい騎士だった。ゲイレールとかいうやつだった。おじさんは
「この子の親ではないが保護者だ」
「そうか、こいつの保護者か、、」
「レイが何を、、、?」
「こいつはなぁ、俺に石を投げてきたんだ。このゲイレール様に、、。この行為は帝国への反逆行為に値する。」
「この子をどうするつもりですか、、、」
「尋問の後、処刑する。」
やはり頭のおかしなやつらだった。
「子供のやった事です。どうか許してください。」
おじさんは必死で謝った。
「こんな子供が大きくなったら反乱を起こしかねない、、、悪い芽は早いうちに採っておくのだ、、、。」
「この子は両親もいないのです。どうかお許しを、、、」
「無理だ、、この愚か者を処刑したら屍は届けてやる。あと罰金も出るから覚悟しておくのだぞ、、、」
俺は怒りが湧いてきた。怒りのあまり
「子供のやった事くらい見逃せよ!大人げねぇなあ!」
と叫んでしまった。
「貴様らしつこいぞ。いい加減にしろ。さもなくば貴様らも処刑するぞ。」
なにも口出しできなかった。1人の騎士がやって来た。