第4章 80年前、俺の国、火の雨、太陽より熱く。
晩御飯の時にレイが
「お昼にしてくれた話をしてよ!」
と言ったため1からこの話をおじさんとおばさんにした。すると2人とも興味を持ってくれて
「その続きを!」
と子供のようにねだってきた。
「それでは続きの話をしたいと思います。」
「よっ、待ってましたぁ!!」
ノリのいい人たちだ。本当にこの人たちには感謝の言葉しか出ない。
「はじめは戦争に勝っていた俺の国だが、自由の国とその仲間の国でできた『連合国』は自由を取り戻すために戦い、3つあった独裁者の国『枢軸国』は負けていきました。」
「ちなみにどっちの国が悪いんだっけ?」
おじさんが口を挟むとおばさんとレイが鋭い目つきでおじさんを見つめた。
「え、えっと、、俺の国です、、、」
俺は恐る恐る答えた。
「話の続きです。はじめは3つあった『枢軸国』ですが2つ減って最後は俺の国だけになってしまいました。」
「悪い国は最後の一つよ!やってしまいなさい!」
おばさんが子供のようにいった
「でも最後はヒカルの国なのよ、、、どうなるの、、、」
レイは心配そうにいった。
「戦争に負け始めた俺の国は『連合国』によって焼夷弾という火の雨のような兵器が降ってきて家を焼き、人を殺しました。」
「もう何もしてない人が巻き込まれてかわいそうだよ」
レイが暗い顔をして言った。まるで俺が悪い人みたいだ。まぁ、元の世界では強盗をやってたんだけど、、、
「遂に降参しない俺の国のある島に『連合国』が上陸。激しい戦いになり兵士も住民もたくさん殺され、島が占領されてしまいました。」
「もう、止めようよ、、、」
レイから涙がポロリと落ちた。
「もう止めようか?」
俺も悲しくなってきた。でもおじさんとおばさんが
「この子にはあんたの世界で起こったことを知り、平和を知ってほしいんだ。続けてくれ。」
おじさんがそういってレイを慰めた。俺は話すことにした。レイに平和を知ってほしいから、、、
「島を占領されても降参しない俺の国に夏のある日、遂に恐ろしい兵器『原子爆弾』が空から落とされる。『ヒロシマ』というところと『ナガサキ』というところに、、」
「それはどうゆうものなの、、、?」
泣き止んだレイが聞いてきた。よかった、泣き止んでくれた。
「それは太陽のようにとても熱く、一瞬で家も人も思い出も焼き払う。しかも町一つ分位、、、たくさんの人が死んだ。生き延びた人は少なかった、、、」
「そんなものがアンタの世界にはあるのか!?」
おじさんが口を開いたまま聞いた、、、
「あぁ、存在する。今の俺の世界はその兵器で脅し合ってる。でも使われたのは80年前のあの時だけ、、、」
おじさんは気を失いそうになったのか、椅子ごと倒れそうになった。
「そして俺の国は『連合国』に降参し長い戦争が終わった。たくさんの犠牲をだして、、、」
レイの顔は涙と鼻水でグチャグチャだった。