第2章 現実、そして幻
(あれ、もう死んだかな?それとも死んでないかな?)
恐る恐る目を開けた。木の下の木陰にいて周りは花畑だった。
(ここは天国か?いや、銀行強盗をして死んだから地獄に決まってる、、)
むくっ、と起き上がってみた。何ともない。
(ここ何処だ?天国でも地獄でもない。とりあえず辺りを探索してみよう。)
辺りを探索していると、何やら人影が見えた。結構小さかった。近づいてみると向こうも気づき、こちらに向かってきた。
「あなた誰?どこから来たの?」
小さな女の子だった。日本語で聞かれてビックリした。
「俺は、、、銀行で強盗して、、それよりここは?日本か?」
「ここはフラワーレイクだよ。ねぇねぇ、‘二ホン‘ってなに?」
「日本を知らないのか?そうするとここは‘異世界‘か!!」
「えっ!もしかしてあなた異世界から来たの!?」
「そうゆうことになる、、、かもしれない、、、」
「ねぇねぇ!じゃあ家に来てよ!そして異世界のこと聞かせて!」
なんだかワクワクした顔でこちらを見ている。そして俺は手を引かれながら街らしきところに連れて行かれた。
「おぉ、レイちゃんじゃねーか!なんだその男?」
白髪のじいさんがそう言った。
「異世界から来たんだって!これから家に連れて行くの!」
「ははは、そうか!レイちゃんは元気だなー!」
そういってこの子の家に連れていかっれた。
「おじさん!おばさん!この人異世界から来たんだって!」
家の中に入った途端、この子はそう言った。
「誰だその人は?」
この子の両親だろうか?いや、おじさん、おばさんということは違うだろう。
「ど、どうも、、」
ぎこちないあいさつをした。
「あんたどこから来たんだ?」
若いおばさんがそういった。
「日本の東京ってとこから来ました。」
するとおばさんが不思議そうな顔をして
「二ホンとはどこだね?共和国の地名じゃないね。まさか帝国の人間かい!?」
そういった。帝国?なんだそれ。
「いえ、多分違うと思います。帝国ってなんですか?」
おじさんもおばさんも少女も暗い顔をした。そしておじさんが
「ブラックスコーピオン帝国、このズロー共和国ともう10年近く戦争をしているんだ、、、そしてこの子から両親を奪った、、、」
「すまないことを訪ねてしまった、、、すまない。」
「いいんだ。知らなかったら仕方ないしこの世界のことも知らないとなぁ!」
明るく振舞ってくれた。本当にやさしい人たちだ。すると少女が
「自己紹介がおくれたね!私はレイ・マッケンジー、レイでいいよ!そしておじさんはカトリーヌおじさん、おばさんはアリシアおばさん!あなたの名前は?」
自己紹介をしてくれた。
「新島ヒカル、ヒカルでいいよ。よろしくな、レイ。」
「よろしく!ヒカル!」
こうして俺はレイと出会い、この異世界で暮らすことになった。そして誓った。二度と同じ過ちを繰り返さない。そして誰かのためにがんばろう。って。