1話
ー2016年8月
「今日は暑いがいいドライブ日和だ」癖毛の青年が呟く。 「おっ、お前の車今日調子イイじゃん」背の高い青年が、助手席乗り込む。
キュルルル、ガウンガウン!!赤いスープラが勢いよく動き出した。
この日の首都高は驚く程空いていた。
「おい、ユウジ今メーター読み何km/h??」背の高い青年が話しかける。「セナ、ざっと240km/hだ!」「嘘だろ?そんな出てんの今?」唖然とした顔でセナは座っている。思えば、出発してから20分ほど経つが、その7割くらいは今の速度で走っている。なぜ今さら聞いてくるのだろう。
「ユ、ユウジじゃあ240km/hで走っている車に近づいてる車って、、、」「!!」バックミラーを確認すると2車身ほど後に黒いNSXが映っている。あと20秒あったら抜かされそうだ。
「セナ、ちょっと危ねーことするけどいいか!?」
「おい、それってまさか??」セナの考えたことは図星だった。「バトルだよ」ドヤ顔で言ってしまった。こうなったら勝つしかない。
NSXが並んだ。そのまま両者アクセルを踏み込む。1秒経つことにメーターが跳ね上がるのをこの目に焼き付けた。「これ、案外行けるぞ!」メーターは300km/hを迎えそうだ。まだ両者並んだままだった。
「おい、ユウジ。ストレートおわるぞ!!」「ちょっとセナ黙ってくれる?」しっかりやらかした一言だ。後で誤っておこう。
コーナーに入ると僅かにスープラが先行した。
あと100メートルほどでストレートに戻るが差は広がらない。
ストレートに入ると640馬力の恩恵かすんなりと引き離せた。最初に並んでいたのが嘘みたいだ。
みるみる小さくなるNSXを見てセナは「怖すぎだろ公道バトル、、、」そう呟く。
「俺は、まあまあ楽しかったけど?」大口を叩いてしまった。本当は自分も少し怖かった。
ー1話 終わりー




