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ほんとうの言葉
音を拾う山道のような寂しさを
つつんでる紙の月白の
あさの吐息は消えてしまう
とおくとおく何もきこえない
まるで冷え切った市場みたいに
人びとは凍えを受け入れている
じゃりじゃり砕かれ汚れてしまうんだ
すこしづつ溶けていくこと
まいにちの行き違い
星を見たことがありますか
見えないけれどある
星を周るしずかな星を
いづれかえってくる祈りを
期待するなんて時代遅れの大安売り
それでも夜空に吸い込まれてしまった
消えてしまった
たくさんのムードたちは
いつの間にか消えたんです壊れてしまわずに
そうやって進みます
でもいつかほんの少し外れてしまって
ひとりきりになってしまっても
いちばんたくさんの木々のなかへ
消えてしまった音たちの佇む森のおく
あいたかった祈りが待っています
なまえも忘れられ
すがたも失った
ほんとうの言葉です