第4話 アイテムバッグを受け取ろう!
「それでは、そこの2人はメアリーに任せる。カンナ、ついて来い。」
「はい、わかりました。」
王と環奈が部屋を出ていく。結局俺と治は名前すら聞かれなかったな…。まぁ済んだことはどうでもいい。重要なのはこれからだ。
「それでは、お二方にお渡しする物についてお教えします。まずは、アイテムバッグからです。このアイテムバッグは、中に入れた物を別次元に飛ばして保存することが出来るので、入る量はほとんど無限と言っていいと思います。アイテムバッグは一般的に出回っていますが、それは空間拡張魔法を利用していますので、容量にも限りがあり、値段もこれより安いので、取られないように気をつけて下さいね?」
なるほど、便利な物があるんだな…。あれ?
「あの、そのアイテムバッグの技術を使えば、地球に戻れる転送魔法陣も作れるんじゃ…?」
「えっ………?多分何かあるんじゃないですか……?
きっと………。」
なんかすごい汗かいてるな…。やはり聞いたらマズいことだったのだろうか…。
(作者相変わらず設定適当すぎだろ…)
また治が意味のわからないことを呟いている。とりあえず聞かなかったことにしよう。
「ダメですよ…!メタ発言は1日1度までにしないといけません!」
「すみません。以後気をつけます…。」
女王まで意味のわからないことを言い始めた…。メタ発言…?一体何のことだろう。女王立ち直り早いな…。
「えっと…。説明の続きをしますよ…。次はプラネッタの通貨についての説明です。プラネッタで使われている通貨の単位はランプと言って、1ランプが10円くらいだと考えて下さい。黒硬貨が1ランプで、銅貨が10ランプ、銀貨が100ランプ、金貨が1万ランプです。その他にも100万ランプの白金貨と1億ランプの聖銀貨があると言われていますが、ほとんど都市伝説のようなもので、この王宮にも聖銀貨はありません。」
聖銀貨はないって…。ということは白金貨はあるのか…。何が2人も養う余裕がないだ。2人くらい余裕で養っていけるだろ…。
「お二方には、銀貨100枚とアイテムバッグをお渡しします。」
「どうして金貨1枚ではなく、銀貨100枚なんですか?」
「金貨は高額取引のときには使うんですが、お釣りのときに不便なので、一般的な買い物のときは銀貨を使うというルールがあるんです。一応法律にはなっていないんですが、そういう風習で、場合によっては金貨では買い物を断られることもあります。」
金貨は基本的に使わないのか…。金貨は1万ランプだから10万円か…。当たり前といえば、当たり前だな。一体、白金貨と聖銀貨は何のためにあるんだ?都市伝説になるのも当たり前だろ。まず使われることがないんだから…。
「それでは、これから先の幸福をお祈りします。どうか気をつけて下さい。」
アイテムバッグを受けとって、俺と治は王宮の外に出た。外から見るとなかなかに壮観だ。街の景色は…。あれ?あまり日本と変わらないな…。この世界の創造主とやらが風景描写が面倒くさくて、日本とほとんど同じにしたということか?敢えて言うなら、あまり都会ではなく、田舎と都会の中間ぐらいの感じだな…。
そのようなことを考えていると、後ろから声が聞こえた。
「優!俺は今から冒険者ギルドを探しに行くんだが、お前、俺と組まないか?1人より2人の方が有利だろ?」
「悪いが、断る。俺もしばらくしたら冒険者登録するつもりだが、とりあえずこの世界についての情報を集めたいからな。」
本当の理由は俺が魔王だからだけど…。まぁそれなりに強くなるか、魔王だということがバレないという確信を得られたら冒険者登録をするつもりだから、嘘はついていないしな。
「そうか、わかった。多分次に会うときは帰ることが出来るようになった時だと思うが、その時はよろしく頼む。それじゃあ。元気でな。」
「ああ、お前も元気でいろよ。」
治は意外とあっさり去って行ったな。おそらく、初めから俺のことを大して当てにしてなかったんだろう…。普通に考えたら大した戦力にもならないしな…。魔王だということを知らなかったとして…。さて、俺もそろそろ行くか。
ちなみに、アイテムバッグの技術の応用で転送魔法陣が作れない理由は、地球には時間が存在しているからです。アイテムバッグが繋げている異次元には時間が存在していないので、比較的少ないエネルギーで転送・召喚魔法陣が作れるようです。決して後付けではありませんよ(大汗)