第24話 番外編 オサム編 前編
久しぶりの更新となります。
今年一年出張が多くなりそうなので、あまり更新できそうもありません…。
来年度には改善するといいのですが…。
今は森の中。1人の男が10体ほどのゴブリンに囲まれている。普通の冒険者ならその時点で諦めて死を受け入れるだろう。確かに、ゴブリンには何体かの群れで生活する個体もいるが、それでもこの数は異常であった。これだけの数が共に行動しているとなると、近くにゴブリンの集落でもあるか、それとも森の中にかなりの強者がいて、それから逃げてきたかのどちらかだろう。現在囲まれている男ー二鳥治はそう考えていた。
考えている間に、ゴブリンたちは距離を縮めてくる。ゴブリンたちは顔に笑みを浮かべており、美味しい獲物がもうすぐ手に入るということを全く疑っていないようだ。
1体のゴブリンがもう待ちきれないというように、オサムに襲いかかる。それに合わせるように、ほかのゴブリンたちも次から次へと襲いかかった。
ゴブリンたちの棍棒が、オサムへと振り下ろされる。それに対して、オサムは何も武器を構えずに、ただ敵の攻撃を待っている。棍棒がオサムの体に当たろうとする。本来、オサムはこのままひき肉になるはずだった|。しかし、ゴブリンたちの棍棒は全て、オサムの肌に当たろうという直前で見えない何かに弾かれた。
その瞬間、オサムは腰から2本の短刀を抜き、周囲に斬撃を放った。すると、襲いかかっていたゴブリンたちはまるで切れ味のいい刀で切ったかのように真っ二つになっていた。
オサムは、服の裾で顔に飛び散った返り血を拭き取り、ゴブリンの耳を切り取り始める。ゴブリンの耳はゴブリンの討伐素材の1つであり、ゴブリン討伐の依頼達成の証明としては最も手軽にできるものである。本来、ゴブリンの素材としてはもっと高く売れる部位はたくさんあったのだが、解体が面倒だったので、今回は放置することにした。
オサムは、街に戻ると、冒険者ギルドに戻る。街の人たちは、返り血を浴びているオサムを見て、一瞬驚くが、オサムが冒険者であることに気づくと、普段どおりの生活に戻った。
オサムは、冒険者ギルドに着くと受付の列に並んだ。
オサムは現在Eランクの冒険者である。冒険者ギルドに加入する冒険者は、まず試験を受けることになる。試験に落ちたからといって、冒険者になれないということはないが、試験に落ちた冒険者はGランクからのスタートで、再び試験を受けて合格するまで、討伐・護衛系の依頼を全く受けることができないというシステムになっている。
オサムの場合、試験で非常に優秀な成績(むしろ技能の威力がよくわからず、試験官を殺しかけた)により、特別にEランクからのスタートになっている。そのようなことは滅多になく、少なくともこの国の支部では初めてのようだ。
「なかなか回ってこないな…。」
オサムが並び始めてしばらくの間は順調に列が進んだのだが、途中から全く列が進まなくなった。
(くそ…。頭の中で説明している間に番が回ってくると思ったのに…。)
オサムは、ため息をつき、イラつきながら前の方を見る。すると、茶色い髭を伸ばした冒険者が受付嬢に愚痴っていた。




