第2話 ステータスを確かめよう!
追記:固有技能を特殊技能に変更しました。(同じ種類の固有技能を持っている人が複数人出そうだったので)
王の一人称を私から我に変更
文章とステータスの間に棒線を設置
「どうやら目が覚めたようだな」
声の聞こえた方向を見ると、1人の男が立っていた。黒いフードを被っており、非常に怪しげな服装だ。その服装からはどこか日本とは違った雰囲気をはっきりと感じた。
「王がお待ちだ。ついて来い。」
男は部屋を出て、廊下を進んで行く。俺は何か考えがある訳でもないので、ついていくことにした。とりあえず、今の状況を把握しておきたい。彼らの話を聞くのが一番だろう。環奈と治もその後について来る。
王が待っているということはここは王宮だろうか。シャンデリアはないし、想像しているような宮殿ほど豪華でもないが、確かに気品があるような気もする。
男についていくと、部屋に入った。この部屋の中にはシャンデリアもあり、椅子も豪華な感じだ。
「もうすぐ王がいらっしゃる。ここで待て。」
王がお待ちなのではなかったのかとツッコミたくなるが、黙っておこう。
しばらくすると、1人の男と女が護衛と共に入ってきた。2人とも威厳があり、一目で王と女王だろうとわかった。これだけわかりやすくて、暗殺などへの対策は大丈夫なのだろうかと思ってしまうが、無事だということは狙う価値もないのか、護衛が優秀なのか、とりあえず油断は出来ないな。
「日本の者たちよ。良くぞプラネッタに参った。」
「プラネッタとは?」
聞いたのは意外にも環奈ではなく、治だ。
「プラネッタというのはこの星の名前だ。 」
「え?ここは日本ではないんですか?」
即座に環奈が反応する。あまりにも今更すぎる質問だと思うが…。日本に王はいないし。
それにしても、さっきより話し方が丁寧だな…。相手によって態度を変えるタイプか…。ますます苦手だ…。
「そうだ、我々がお主らをこの世界に召喚した。お主らにとってはここは異世界ということになるな。我の名はローランド4世だ。そして、隣にいるのが我が妃、メアリーだ。」
「メアリーと申します。よろしくお願いします。」
「早速だが、お主らを召喚した訳を説明しよう。」
「ちょっと待ってください。私たちは日本に帰れるのでしょうか?」
確かにそれは気になる。だけど、話し方が丁寧なのがものすごくムカつくな…。
「残念ながら現在はお主らをもとの世界に戻す方法は見つかっていない。だが、宮廷専属の魔道士のエバが現在戻る方法を探しているところだ。召喚魔法陣の作成に成功した奴のことだから、恐らく転送魔法陣の作成も時間の問題だろう。」
「そうですか。それでその目的というのは?」
何故か、環奈の声が明るく感じたのは気のせいだろうか…。ひょっとして、帰りたくなかったのか…?
「我々の目的は他でもない。魔王への対抗手段を持つことだ。現在、プラネッタでは、4人の魔王が最大の勢力を誇っている。国の中には金を払うことで、勇者を雇っているところもあるが、我々のような小国にはそのような金もない。そこで、我々は召喚魔法陣を開発して、勇者の可能性が高い者を召喚することにしたのだ。」
「可能性が高い者って、勇者じゃない可能性もあるのかよ!」
しまった…。思わず反応してしまった…。ところで、その王のお前喋れたのかというような目は何なんだ…?治や環奈の、王相手に何故タメ口使ってるんだと言いたげな視線も痛いな…。
「そうだな…。勇者でない可能性も十分にある。とりあえずお主らには自分のステータスを確認してみてほしい。」
「ステータスを確認する時は『ステータスオープン』と唱えてください。」
俺の、ステータスをどうやって見ろというんだ、という視線を感じたのか、女王のフォローが入った。女王なかなかやるな。
「「「ステータスオープン」」」
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ステータス
名前 : ユウ Lv.1
種族 : 魔王
職業 魔王
HP 19 / 19
MP 6 / 6
攻撃 7
防御 6
魔力 8
速度 7
精神 5
究極技能「魔物創造」
究極技能「一致団結」
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ま、魔王⁉︎思わず叫びそうになってしまった。
技能についての説明です。
技能には通常の技能の他に、上位の特殊技能と、最上位の究極技能があります。
技能は通常漢字2文字で、大抵の人が努力をしたら、手に入れることができ、ほとんどの人が持っています。
特殊技能は漢字3文字で、努力だけでなく、才能や運の要素が強く、持っている人は10人に1人ほどです。
究極技能は漢字4文字で、ほとんど手に入れることはできません。持っている人は世界に1万人もいないのではないかと言われています。