第1話 異世界召喚
初めての投稿です。よろしくお願いします。
「それでは授業を終わります。」
塾の授業が終わり、俺は塾の教室を出た。
大学受験を来年に控え、嫌々親に行かされている塾。
大して授業は面白くないし、疲れるだけ...。
階段を降りるのも面倒だし、エレベーターに乗るか…。
俺はドアが閉まりそうになっているエレベーターの中に強引に乗り込んだ。
エレベーターが動き出してすぐ、急にガタガタとエレベーターが揺れて、電気が消えた。
「きゃー!何!?停電!?」
一緒に乗っていた女子生徒が叫ぶ。
「チッ 停電か… しばらく動きそうもないな…」
その隣りにいる奴は比較的冷静だ。状況を分析してる俺が言えることでもないけれど。
その時、急に地面に光る線が浮かび上がってきた。
その線は模様を描き、どんどん光が強くなってくる。
「魔法陣…!?」
その後、意識が遠のくまでにそれほど時間はかからなかった。
「ここはどこだ...?」
目が覚めると、見知らぬ部屋の中にいた。他の2人はまだ目を覚ましていない。
確か、エレベーターが止まった後に地面に魔法陣のようなものが浮かび上がってきて…。
まだよく状況は分からないが、とりあえず2人を起こすか。
「おい!起きろ!」
「ん... あんた誰?」
「おい!そっちの男の方もだ!さっさと起きろよ!」
「あ、あぁ…。悪い… 。で、一体どうなってるんだ…?確かエレベーターが止まった後に魔法陣のようなものが浮かび上がってきて...。」
さっき俺が頭の中で考えていたことをそのまま言いやがって...
イラつきながらもとりあえず名前を言う。
「俺の名前は神谷優だ。お前らは?」
「あたしは結城環奈。環奈って呼んでいいよ。」
黒髪のロングヘアで真面目そうな見た目の割に元気だな…苦手なタイプだ。とりあえずこれは口に出さないでおく。
「俺は二鳥治だ。よろしく頼む。」
こっちは思ったより真面目な挨拶だ。エレベーターが止まったとき、舌打ちとかしてたのに。
「で、今はどういう状況なんだ?よくわからないんだが。」
「お前がさっき言った通りの状況だと思うよ?何がどうなったら床に魔法陣が現れるのか理解出来ないけどね。」
塾でも学校でも今までにこんなことが起きたなんて話聞いたことがない。面白くもないし、肝心なときに役に立たないって一体何のために通っていたのだろう…。もちろん受験のためとかは無しで。
「ところで、ここって本当に日本なのかな?別の国とかじゃないよね?」
1人空気の読めない奴がいるな…。おそらく全員が思ってることだが、ここは日本じゃないし、別の国どころか、別の世界だと思うぞ…。もし、思ってるのが俺だけだったら怖いから、これも口に出さないでおく。
「確かにそうかもしれないな。なんか雰囲気が日本っぽく無い。」
どうやら異世界だと思っていたのは俺だけだったみたいだ。気づかなかったことにしとく。この部屋のどの辺が日本っぽく無いのかはわからないけど。大して何も置いてないし。
くだらない話をしていると、ドアが開き、声が聞こえた。
「どうやら目が覚めたようだな。」