添い寝代行
目が覚めて、見知らぬ女がいた。
昨夜雷雨が鳴り響き、雨戸が外れてしまうかと思うくらいの風が吹いていた。
そんな状況の中、日本酒片手に一人自宅飲みに興じていたので、自分が思い出す限りは「女」という単語を交える要素が一つもなかった。
まがいにも自分は卑猥な宅配サービスを利用した事が一度もない。
もちろん女は衣服を着ている。着衣も乱れていない。
考えても仕方なく、酔いを醒まそうとキッチンへ向かったら名刺が1枚置いてあった。
「添い寝代行サービスセンター」
自分の頭が冷や水をかけられたように冴えてきた。夜雷が怖く、一人で寝れなかったので、添い寝代行をお願いしたのだ。
納得して寝室へ戻る。
女がおばちゃんであったのも妙に納得できた。