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グレイブローン

作者: 安倍道満

線香の香りが漂う会場に僧侶の経文が鳴り響く大広間、最奥に祭壇が作られ、中央に遺影が飾られ、粛々とした雰囲気で鐘の音が反響する。

「では、故人様にお花を添えてください」

 進行のアナウンスに従い席を立ち、花を受け取り頭の横に入れる。少し寝ているようにも見えるそれはとても気持ちよさそうで安らかに逝ったのだろう。そこまで考えると不意に目頭が熱くなる、覚悟はしていたつもりだったけど……。

「慶ちゃん。今日はありがとうね」

 後ろから声をかけられ、目頭を拭いつつ振り向くと力ない笑いを浮かべ、内面の負傷がうかがえる。

「いやいや、そんな大丈夫ですよ。ちょうど冬休みだったし」

「そんなことはないよ。あの人に六文銭も持たせてくれたし、最後に来た役に立たない喪主と違ってあんたはいてくれるだけで十分役に立ってくれたよ」

 本当に立っていただけなんだけどな、そこまで思案し、近くのスタッフに紙袋を渡す。

「何を渡したんだい」

「お菓子だよ、おじいちゃん食べるの好きだったし入れてあげようと思ったんだよ。なんでも入れるなら燃えやすいように細かくしないといけないから小分けにしてもらおうと思って」

 ぼんち揚げとかかりん糖とか好きだった気がするから選んでみたけど喜んでくれるかな。しかしいちいち分けないといけないとかめんどくさいな。

「ありがとうね。あの人もきっと喜ぶよ。しかし今は何でも効率優先なんだね」

 俺に礼を言った後なぜかを目を細め故人を悼むのとは別の遠いところを見ているかのように虚空を見つめる。

「昔はねえ。亡くなった人には紙じゃなく本物の六文銭を持たし棺もあんな軟な蓋じゃなかったしねえ」

 確かに、今は全部燃えやすいようにされているから味気が無いかもしれないな。

「でも、これだけきちんと送り出してくれるなら盗まれる心配もないねえ」

「盗まれる? 葬式会場でスリでもする不謹慎な輩でもいたの」

 ばあちゃんの言葉に思わず疑問が零れる。まさかとは思いながらも思わず財布を確認する……。

「そうじゃないよ。昔は火車っていう妖怪がいてねえ、そいつが死体やお金を持って行ってしまうんでね。私の若いころはよく泊まり込みで見張ったものさ」

「確かにそう言う意味できっちり見ていたから盗られる心配はないね」

 一応最後の夜として泊まり込んだけどあれにあんな意味があったのか。

「おや、ごめんね、年寄りの戯言と気にしないでおくれよ」

 俺の咄嗟の確認がツボに嵌ったのか、皺の刻まれた手を口に当てクスクスと笑う。

「さあさ、お菓子の準備もできたようだし、あの人もお腹の空く時間だからいれてやりなさいな」

 ちょっと話しただけに感じたが考えていた以上に時間がたっていたらしくお菓子が配られ始めていた。

「はい、それに一応言い出しっぺだからお供えしておかないと怒られてしまうよ」

 ばあちゃんに相槌を打ちながらもこっそりとポケットに手を伸ばす、確かあったはずだ。

「じいちゃん喜んでくれるかな」

 軽口をたたきつつ右手の下に菓子袋を置きつつ、こっそり五百円玉を指に挟む。冷たさが指に伝わり、心臓の鼓動がやけに大きく聞こえる。その冷たさがどんなに安らかな顔でもただ寝ている状態と旅立ったものの違いを嫌でも感じさせる。

「それにしてもしっかりした体だよ」

「確かにねえ。昔からどっしりとした人だったからね」

 何か見咎められるのではないかとヒヤりとしたがどうやら気づかれなかったようだ。

「そうだ、私の分も入れてくれないかねえ、最近腰が悪くなって屈むのが辛くってねえ」

 そう言うと俺の右手を取り菓子袋を渡してくる。

「わかったけどいいの。あとどの辺が良いとかリクエストある?」

「そうだねえ、さっき慶ちゃんが右手だったから反対側の手にお願いしようかねえ」

 了解、と返そうとした時、菓子袋の底部に違和感を感じる。あられの堅さとはまた別の堅さ、少し前に感じたような……。

「ばあちゃん、これ」

「いいのよ。さ、やって頂戴」

 違和感の正体に気づき聞き返そうとした瞬間、人差し指を口に当て早く入れるように催促される。その笑顔ながらも力のある眼で見つめられる。顔が勝手にひきつり、言いようのない恐怖と後ろめたさを感じながらもなんとか入れ終わるがやはり手には独特のほの冷たい感覚が残っている。

「それでは御出棺でございます。男性の御親族の方はお手をお貸しください」

 進行のアナウンスに従い棺を数人がかりで棺を持ち上げるがやはり腕にズシリとのしかかる。

 冬の冷たい風の中、何とか霊柩車に棺を運び込み火葬場に向かった。


 焼き終わりの時間になり、全員に骨拾いの箸が配られ線香と炭の焼けるにおいが立ち込めてくる。

「さっきはありがとねえ」

 人込みを避け端の方で待機していると不意に肩を叩かれた。振り向いてみると何時の間に回り込んだのかばあちゃんに声をかけられた。

「さすがにあれはビビったよ、急にあんな事やらさないでよ」

「あんただってやってたじゃないか。それに私もあれじゃ味気ないと思ってねえ」

 周囲に聞こえないようにこっそりと話しながら笑いあう。ばあちゃんは悪戯の成功した子供のような、童心に戻ったかのような笑みを浮かべる。

「それでは納骨の御準備をお願いします」

 進行係の合図に合わせ遺骨が運ばれてくる。一緒に入れたお菓子の匂いだろうか妙に香ばしい香りを漂わせながらワゴンが全容を現す。それは全体的に薄灰色を纏いながらも骨盤、肋骨、手足は辛うじて原型をとどめ、体の中心部は完全に粉末と化し所々にあるオレンジ色の部分はぼんち揚げの色だろうかひどく目に付く。

「こちらの指の第一関節のところ、これは指仏といい前から見たときに仏様に見えるのでそう呼ばれます。これは普通燃え尽きてしまう物なのですがこうして見られることは稀です。本当に骨格のしっかりとした方だったのですね」

 そんなものがあるのか、初めて知ったな。確かにがっしりとした人だと思ったがそんなところまでしっかりとしているとは。

「それでは皆様、指仏をお持ちください」

 係りの音頭に合わせ一斉に指の骨を摘まむ。一瞬指の下が露わになるがそこには何もなかった。入れたのが何となく使えなかった古い方のコインだから銀が入っているって聞いたことあるから溶けきったんだな。多分……。いや、そうい言うことにしておこう、なんにしても証拠は出そうにないんだからな。

「それでは次にこの喉仏……」

 その後、係りの人による骨説明が延々と続いていく。進行係の見ようによっては嬉々として骨の知識を披露していく様はある種不気味であり、天職であるとさえ感じさせる。

「それではこれで納骨を終了させていただきます」

 一応の解散宣言がされたがいまだにワゴンの上には人体の形状を残している遺骨が存在していた。どこか違和感を覚えた、それはやはり自分も同じ骨格をしているせいだろうか。

 ひとまずやることが済み気分を変えようと火葬場の外に出ると辺りは暗く夜の帳が広がり肌に刺さる冷たい空気を肺に入れる、その寒気が緊張で火照った体に心地よく感じる。

「お疲れ様であります」

 背筋を伸ばしリラックスしていると突如背後から声をかけられた。振り向いてみるとやたらと目つきの悪い猫が揉み手をしつつこちらを凝視していた。

「……二足歩行ニャンコ?」

「失敬な、小官はこれでもれっきとした妖怪で官吏であります。低俗な畜生と同じにしないでいただきたい」

 両手をぴたりと合わせながら猫型二足歩行生命体はやたらとえらそうな口調で俺に詰め寄る。いけないな、慣れない葬儀で疲れているのかな、猫が二足歩行するわけがない。

「お取込み中悪いのでありますが現実に向き合うでありますよ」

 猫は俺をなだめながらも組んでいた手を開き、その中身を見せつける。

「五百円玉? オイ猫それってもしかして、いやまさか」

「そのまさかであります。あと猫じゃないであります、小官は火車、黄泉の徴収官であります」

 どうやらひとまずは現実を直視する必要があるようだ。となると遺骨の両手の部分がいやに綺麗だったのはいつの間にかコイツがかすめ取っていたからか。

「それで火車さんとやらが俺に何の用だ」

「最近、渡し賃に銭の絵を用いる輩が増えている次第で、三途の川が飽和状態でありまして。獄卒の小官も渡し賃の回収という外回りにかされたのでありますよ」

 なんというかあの世も世知辛いな。やっぱり六文銭が印刷だとあの世でも使えないのか、こっそり入れてよかった。

「そんな中でこっそり銭を入れる貴君を見て礼を言おうと姿を現した次第であります」

 嫌に義理堅い妖怪だな、こっちは半分悪いことしたと思ったくらいなのに感謝されると逆に気持ち悪いな。

「それは良いけど、そっちじゃ紙幣は使えないのか。外国じゃ紙幣を入れるところもあるって聞いたことあるけど」

「それはハデス様など別のあの世の風習でお釈迦様と閻魔様の管轄するあの世では使えないのであります。異国の銭がこの地で使えないのと同じでありますな」

 なんかあの世が一気に所帯じみたな。もっと人知の範囲外にある世界だと考えていたのに……。

「だったらあの世産の紙幣なりなんなりを創ってネットとかでばら撒けばいいんじゃないか」

 何となく思った事を口にすると火車はひどく驚いたように目を見開き、大事そうに握っていた五円玉を取り落す。周囲に乾いた硬質の音が響き渡る、その音に火車は慌てて五百円玉を拾いつつ俺の手を握る。

「その発想はなかったであります。さっそく上申してみるので一緒に来てほしいであります」

「いや、ちょっと待て俺はまだあの世なんかに行きたくない、離せ」

「職員用の専用通路で行くから大丈夫であります」

 火車が心配ないという風に軽い口調で言うがこの若さで進んで三途の川など渡りたいという稀有な人間はいない、必死で抵抗するが小さな体躯に引っ張られていく。視界が歪曲し脳の真ん中をミキサーでかき回されるような痛みと不快感に襲われ、意識が遠のいていった。

 

「起きるでありますよ。着いたであります」

 頭を揺さぶられる感覚に目を覚ます。

「あ、二足歩行ニャンコ」

「だ、か、ら猫じゃないと何度言わせたら気が済むでありますか」

 青筋が見えるほどの剣幕で怒鳴られようやく意識がはっきりとしてくる。周囲を見渡すと法衣というのか時代劇の宦官が着ていそうな服を纏った鬼が忙しなく動き回り、スーツを着た骸骨が大量の木簡を運んでいる様子が目に映った。あの世というよりは中世の会社を彷彿とさせる様子に、あの世と聞いてさぞ恐ろしい光景を想像した自分が情けなく思えてくる。

「全く。案内するからついてくるでありますよ」

「ついてこいって何処にだよ」

 ここまで来たら腹をくくるしかないがいったいどこに連れて行くつもりだ。外回りに行かされるって言ってたからこいつ自身はそんなに偉くないってことだから金に関する重要な事なんて決められないだろうし。まさかそう思わせておいて意外と地位が上なのか。

「もちろん小官の上役のところであります。ちょうど渡し賃の対策を任されておるので絶対に取り合ってくれるであります」

 周囲から奇異の目に晒されながら歩きつつ説明してくれる。説明を聞いているうちに巻物のタワーを左右に建築した机が見えてきた。机の主もスーツを着こなした鬼であるが、その頬は痩せこけ目の下には濃い隈を浮かばせ、いかにも几帳面そうな顔にメガネをかけて、労働条件の過酷さを物語っている。

「部長、例の紙製六文銭の対策となる画期的な案を出した人間を連れてきたであります」

「本当かね。まあ一応聞いてみるが貴官は小生にどんな案を授けてくれるのだ」

 上役の鬼がけだるく火車に先を促しながらも巻物を処理する手を休めずに半分船を漕ぐような危ない動きで反応を返していく。あの世って全部こんなにブラック企業みたいなんだろうか。

「それだ、どうしてそんな簡単な事に気が付かなかったんだ」

 火車の説明に急に上役が机を叩き声を張り上げる。その衝撃に塔を形成している巻物が雪崩を起こし足元に散乱するが上役は気にも留めず明らかに焦点の合わないギラついた目で俺を凝視してくる。

「君か、案を考えてくれたのか。そうかそうだよね人を使えばよかったんだ。これでも小生は優秀だが優秀すぎるのがなんでもできてしまうのが欠点だよ」

 何やらものすごいテンションで笑いまくり、少し奇声を発しながら軽く小躍りをし始める。

「なあ、この人大丈夫なのか」

「もともとこういう気のある方なんですが、まあ疲れているんでありましょう」

 突然の豹変に不安になり小声で火車に質問すると、ものすごく納得できる答えくれた。なるほど徹夜の変な興奮状態のようなものか。

「ところでこの素晴らしい案を出してくれた君はなんという名前なのかな」

「え、はい。宮本慶と言います」

「では慶君、ここに試しにどんな柄にするか描いてみてくれたまえ」

 そういって俺に紙と筆を渡してくる。全く考えていなかったのが適当に『葬』の字を書き両端に円を書いただけのものを渡すと上役はメガネを外し、二、三度満足そうに頷く。

「それでは火車君、君は慶君を送ってあげなさい」

「了解であります」

 上申が通り上機嫌になった火車は一礼すると俺の手を引き歩き出す、それと同時にあの再び不快感と痛みが襲ってくる。

 気が付くといつの間に帰ったのか自分の部屋のベッドで横になっていた。時計を見ると深夜三時を示している。やはりあれは夢か。そうだよな、帰ってきてそのまま倒れ込んで意識を失ってそこから夢を見た。これで辻褄が合う。

「夢ではないでありますよ」

 寝直そうとした瞬間に灰色の猫が虚空より俺の腹にダイブしてくる。予想外の衝撃に自分でも何処から出たのかわからない声が出てしまう。

「どこに、落ちてきてるんだよ。あれは夢じゃなかったのか」

「紙幣ができたので渡しにきたでありますよ」

 のた打ち回っている俺の抗議を無視し火車は一枚の紙幣を差し出す。とりあえず手に取ってみると、あの時描いた両端に六文銭をある紙幣でありその質感と紙の匂いがいやでもこれが現実であることをわからせる。

「仕事早いな、もっとお役所的で時間かかると思ったのに」

 光に透かして見ると葬の字が浮かび上がる。かなり本格的なものだ。

「あの後、小官の上役が白紙委任をもぎ取ってきたのでありますよ、とりあえずこれを十枚ほど置いていくのであります」

「置いていくって、いったいどうしろと」

 確かによくできているがこんなものを貰っても困る。

「ねっととやらでとにかく売ってくれればいいそうであります。無くなったら郵便受けにでも入れておくのであとは頼んだであります」

 そう言い残し火車は虚空に消えて行った。

 とりあえずネットオークションに投稿してみたが正直売れる気があんまりしない。そう思いつ寝直し次の日一応確認してみると意外にも好評で送り待ちとなっていた。

「意外だなとりあえず十枚送ってくるか」

 予想以上の評価に気をよくしつつ紙幣を送り、帰りしなに郵便受けを覗くと火車の言うように十枚の紙幣が入っていた。これは存外いい小遣い稼ぎになりそうだ。



 あれから八十年、火車の言うとおりに紙幣を広めそれを元手に一財産築いたが、もう終わりだな。

「おじいちゃん」

 孫たちの呼ぶ声が聞こえる。目も霞んできた、これが死か……。

「儂が死んだら、ちゃん、と渡し賃が払、えるように棺、桶にいれて、ほしい」

「わかったよ入れるからそんなこと言わないで」

 孫に見守られながら旅立てるとはいちばんの幸せと言っていいかもしれないな。もう意識が途絶えて……。

 

 気が付くと大きな川の前の大きな行列の最後尾に並んでいた。ここが彼岸というところか、八十年前に来たところとは随分違う場所に来たようだな。

「いやはやこのような光景を見るのは死んだ者の特権だな」

 亡者の並ぶ光景に思わず声が出る。歳をとると童心に帰るというが本当のようだな。そこまで思い至り、ふと懐を確認する。そこにはかつて自分が広めた紙幣の札束のずっしりとした重みが確認できた。

「やはり入れてくれていたか。地獄の沙汰も金次第という、頼もしい限りだ」

 渡し賃が確認でき一安心したところで改めて周囲を見渡すと列の整理をする灰色の二足歩行猫を発見できた。

「ハイハイ、押さないでしっかり進むでありますよ」

 プラカードを持ち、大声を出しながらも生き生きとして働く火車に思わず声をかける。

「もうし、もしやあなたは火車さんではないですか」

「いかにも小官は火車でありますがどこかでお会いしたでありましょうか」

「慶ですよ。八十年ばかり前に紙幣を広めて参りました」

 やはり火車だったか、八十年たってもあっちは変わらないな。

「久しぶりでありますね、元気だったでありましょうか」

「おかげさまをもちまして、これこのとおり札束もきっちり持っています」

 懐から札束を取りだし、見せつける。しかし、火車は気まずそうに眼をそらし、言い辛そうに口火を切る。

「ああー、それだと少し足りないかもしれないでありますな」

「何故ですか。確かあの世は不景気だったから紙幣を創りだしたのではないのですか」

 あまりの問題発言に思わず火車の胸倉を掴むが、あまり効果はないようであり、頬を掻きながら続ける。

「実はそのせいで彼岸はいんふれーしょんの真っ最中なんでありますよ」

「な、なんですと」

「大丈夫ですよ、対策として彼岸で働けば堪るように制度が変更されたであります」

 ちゃんと渡れないのかと一瞬焦ったがそれならばなんとかなりそうだ。

「そうか、きちんと渡れるのであれば多少の回り道も一興。それであとどのくらい必要ですか」 

「ざっと今の百倍ってところでありますね、安心してくださいほんの二千年くらい働けば溜まるでありますよ」

 その言葉に思わず、札束が手から滑り落ちた。二千年、聞いただけで気が遠くなる。天国か地獄に行く前にこれでは気が狂ってしまう。火車に縋ろうと手を伸ばすが、もうはや列に紛れてしまい見えなくなってしまっていた。

「それじゃ長い付き合いになりそうですがお互い頑張るでありますよ」 

 火車の明るい声だけが耳に残り俺はただ、列に並び続けるしかなかった……。

                         



 


 

  


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