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今昔物語

作者: さつき

いわゆる逆トリってやつですかね?このネタで長い話も書いてみたくなります( ^ω^ )

「おい、そこの」

 鈴の音のような愛らしい声が私を呼ぶ。

「なんですか」

 声の主に目を向けながら私は答えた。綺麗な紅梅色の着物に身を包んだ少女が、じっとこちらを見据えている。

「わらわは腹が減った」

 このフローリング張りのリビングにまったく似つかわない少女。数日前、忽然と私の家に現れたのだ。話を聞いてみると彼女は現代にタイムスリップして来てしまったらしい。

「そういえばお昼時ですね」

「またあれが食べたいぞ。あの、あれじゃ」

 言葉が出ないのか、彼女は両手で宙にトライアングルを描いてジェスチャーしている。

「ピザですか?」

「それじゃ!」

「おととい食べたばっかじゃん。違うのにしましょ」

 私がそう言うと、彼女はムッと口を尖らせた。

「わらわが食べたいと言っておるのじゃ」

 プライドの高そうな口調から察するに、この子は身分の高い氏族の子なんだろう。我がまますぎて呆れる。

「…はいはい」

 私はしぶしぶ宅配ピザ屋さんに電話をかけた。しばらくしてピザが届くと、少女は早速食べ始めた。

「このモチモチがたまらんのう」

 目を輝かせる少女。私は苦笑いしながらその様子を眺めていた。しかし、どうして現代に来てしまったのだろうか。こんな場所に一人で心細くないのだろうか。

「早く元の時代に戻れるといいですね」

「ん?こんなに美味いものが食べれるなら、戻れなくとも全然よいぞ!」


 私は自分の顔が引きつるのが分かった。

ご拝読ありがとうございました!

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