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ウルファス物語  作者: ろーき
第4章 建国編
42/50

離宮では美しい女と踊った

「「一体何を考えているのですか陛下?」」


 トーナメントが終わって城の執務室でチオは随分声を荒げている。部屋の中にはカニクリとチオ、そして俺だけが居る。美女比率の低い空間にはあまり長居したくないな。低いというか皆無か、ますます居たくないがこれも仕事だ。


「城の改装のことか?」

「違います。それはむしろ歓迎していますが、ソラヴェインの姫…本当に姫かは分かりませんが、彼女を迎えた事です」

「チオ卿、ワシは逆にソラヴェインの姫を迎えいれたのは賛成だが、城の改装には納得していない」


 重臣二人はどっちも怒っている様だ。まぁ当然と云えば当然か。


「二人の言い分は分かった。しかしどちらもこの国のためを思ってした事だ。相談しなかったのは悪かったが、物事には時機というものがある。相談していては間に合わなかったのだ」


 女と株はタイミングという格言もあるのだ。今日ソラを手に入れたのはそういうタイミングだったからなのだ。俺は間違っていない。


「どうせ勢いで美女を浚ったら偶々姫だっただけでしょう。念の為申し上げますが犯罪ですからね」


 チオの言い分は実に正しい。


「時機ですか、元々城の改装は計画されていたとはいえ、トーナメントの当日にやる事ではございませんな。国王のことですから御姫様に恰好をつける為に急遽ゴーレムに命令なさったのでしょう?」


 カニクリの言い分も実に正しい。俺は良い臣下に恵まれて幸いだ。


「ったく…悪かったよ。今度から気を付けるから今回は許せよな」

「陛下、別に陛下が悪い事を為さった訳ではございません。結婚自体は賛成です。これでソラヴェインの力も我が国の手に入ります」

「いかにも、国王の行為で正しくなかった事などこの一月強の間ありませなんだ。改装によってこれからは使者を丁重に迎え入れる事が出来るでしょう。使者が倉庫を焼こうとするなど起こらないでしょう」


 二人とも温かな顔で手を組んで平伏した。ちなみに使者の行動は一応言っておいた。二人は追手を出して殺せと言ったがそれも拙いからと退けた。


「ならなんで反対してるんだ」

「陛下の御力ならばあらゆる事が叶いますが、だからと言って傲慢な暴君に成ってほしくは無いのです」

「確かに国王は絶大なる御力を持ちますが、その所為で民の人望が低い。その欠点を直してほしいので諫言いたしました」

「感激したぞ。俺はお前達の様な臣下に恵まれて幸いだ。チオ卿、カニクリ大臣。これからも俺を支えてくれ」

「「御意」」


 二人は平伏したまま言葉を返す。要するに行い自体は賛成だったらしい。今度からは相談…美女を浚う事を相談…?賛成してくれるとも思えないな。まぁケースバイケースだ。上手い事やろう。


「それよりも今日のトーナメントの結果だが、有望な騎士は結局二人だけか、デキンにイン…は兵隊として訓練する必要があるからまだ騎士ではないか。インは訓練続行でデキンには市中視回りの仕事を与える。明日の空いた時間に丁重に呼び出せ」

「…陛下?姫の連れてきた騎士とリバウはどうなのですか?」


 チオはインが認められた事に嬉しそうにしているが、反面疑問を含んだ顔である。


「リバウはまだ性格その他が良く分からん。向いている仕事を与えるつもりだ。チオ卿、訓練ついでにあいつをよく見極めろ。それとポポミンだが、ソラは兎も角として奴はまだ信用できない。俺に殺意を持ってもおかしくは無い境遇だしな」

「では陛下はポポミン卿をどうなさるのですか?」

「さて…今のままなら仕事は任せられんな、最悪エクター制圧の時についでに死んでもらうかもな」


 その前に改心してくれるといいのだが。


「エクター攻め?国王、兵站的には兎も角、戦力的にはまだ無理かと存じます。国王ならば簡単にエクター王都に留まるオルガ騎士の軍勢を滅ぼせるでしょうが、治めさせる騎士も文官も足りません」

「何、今すぐどうこうじゃない。だが、何れは必要だ。今後このウルの街が流通の中心になるから旧エクター王都は田舎町になるだろうが、人心の安定は平原を治めて初めて完了する」

「確かに、かつての故郷を懐かしむ者もいますからな」


 カニクリは納得している。チオの方は今すぐにでも攻め入るべきだと主張したが退けた。何せ人材が居ない。エクター王都に置く事のできる信用と実力のある騎士はエレノアとハレとチオぐらいだ。全員俺の手元に置いておかなくてはならない人材だ。


「今は人を育てる時だ。カニクリは魔術師を選抜する為の学校の建設を、チオ卿は百人隊の訓練を行え。普段の仕事に加えて忙しいだろうが頑張れよ」

「「御意」」

「宜しい。今日はもう遅い、今日は色々と苦労を掛けて悪かった。ゆっくり休め」

「陛下のこれまでの御苦労に比べれば大したものでもございません」

「如何にも、これからソラヴェインの難民を受け入れる作業は国王の御苦労に匹敵するやもしれませんが、今日の気まぐれなど軽いものです」


 チオは兎も角としてカニクリは仕事が増えたのだからちょっと困った顔をしている。しかしやりがいのありそうな表情である。

 しかし俺の考えは何時も最終的に賛同されるな。以前十七号案件裁判で倉庫から麦を盗んだクォォという男に対して、臣下は手を切断しろと息巻いていたが俺が働かせて罰金刑に処すと言ったら諸手を挙げて賛同した。あれは実に気分が良かった。人間の意見・意思を言葉1つで変化させるのは実に心地よい。


『歴史の暴君も最初は名君だったという逸話は多いが…次第に暴走していくんだろうな』


 一瞬口に出そうとしてしまったがなんとか我慢できた。迂闊なことを言ったら反逆されるかもしれない。

 執務室を出て、居住スペースである離宮に向かう。長い廊下を歩くと横目にリュウの絵が見えた。シアンは廊下に絵まで描いたらしい。そんな指示は出していないが柔軟にやってくれたらしい。離宮に向かう足を反対に向けて謁見の間に行ってみたら、謁見の間の天井には緻密な絵が描かれていた。


「すごいなシアン、ミケランジェロみたいだ。ドラゴンやドレイクが生きているかのような迫力だ」


 肩に留まったシアンの使い魔にそう告げた。天上の絵はドラゴンと俺が戦っている絵である。この三年間でいろんな魔物と戦ったがドラゴンとドレイクを同時に相手にした事は無い。想像で描かれた絵らしい。というか想像なんてロボットができるのか。それに俺の顔が随分美形に成っている気がする。というか美形過ぎてギャグになっている気がする。自分で言うのもなんだが、そのままで充分美形だと思うのにな。


「カンゲキデスマスター・コレカラハミケランジェロ・シアントヨンデクダサイ」


 ミケランジェロが誰なのかは知らないくせに呼べと云うシアンは実にかわいらしい。


「それは面倒くさいから断る、とにかくよくやった」


 謁見の間を出て離宮に向かう。離宮の一室で三人の美女が出迎えてくれた。


「皆仲良くしていたか?」

「ウル様の行動はいつも突然ですね。ソアラリエレンさんはとっても良い人ですから仲良くなれそうです」

「…陛下に申し上げたい事はありますが、ソアラリエレン様は頭も良く、共に陛下を支えることのできる方だと認識しています」


 ハレは笑顔で怒っているし、エレノアはそのまま怒っている。予想していなかった訳ではないがこの状況を打破する手段は想定していない。


「ウルファスは御目が高い人ですね。ハレ様もエレノア様もとても強く美しい方達です。ちゃんと敬わなくちゃ駄目ですよ♪」


 幸いソラは怒っていないが、かと言って味方してくれなさそうだ。


「ハレ、エレノア。お前達を軽視するつもりは無かった。ただ俺は生来性欲が強いのだ。それはそうと風呂は入ったか?風呂はいいよなぁ~実に気持ち良いよなぁ~」


 離宮には露天風呂を作ってある。魔術によって地下から温泉を掘ったのだ。魔術まじ便利。


「「「誤魔化すな」」」


 全員に怒られた。肩に居るシアンの使い魔は怒っていなのが救いだ。平身低頭謝って何とか許してもらえた。こんな時暴君なら色々楽なんだろうな。


「はぁ…陛下、お願いですから暴君には成らないで下さいね。言っておきますが今日の貴方の所業は暴君と思われても仕方ないのですから御注意願います」


 心を読まれてしまったのだろうか?いや、単なる説教である。俺は正座したままそれを聞くしかない。


「でもウル様、宮殿の改装はコロシアムから出てきた皆さんが褒めていらっしゃいましたよ。流石は平原皇帝の魔術だと」

「ハレさん、甘やかさないでください」

「でも事実ですよエレノアさん。褒めるべきことは褒めないとまた拗ねちゃいます」


 エレノアとハレが討論している間にソラは俺の左半身に抱きついてきた。


「ごめんなさいウルファス、妾が迷惑を…」

「気にするな、これも美女を抱える事に付随する義務と言う奴だ」


 そう言って二人で抱き合うとハレとエレノアは互いの顔を見合わせて俺の傍に来た。ハレは俺の後ろに回って抱きつき、エレノアは俺の右腕に抱きついてきた。じつに良い感触である。


「陛下、新参者だけを可愛がるなんてことは無いでしょうね?」

「そんなことは心配するな、今日はお前達を抱けない日だが、美女に優先順位は付けない」


 ハレとエレノアは七日に一回しかOKしてくれないが、その事について文句は無い。


「ウル様、私は用済みではないんですよね?」

「昔言ったはずだ。お前を離す心算は無い」


 背中の心地良い感触を感じて尚ハレを捨てる様な男はいないだろう。居たらそいつはホモか不感症だ。


「察するに…色々意見を聞いたが、要は飽きられたと思ったのか?全く余計な事を考えるものだ。可愛い奴らめ」


 ハレとエレノアの図星をついたらしく赤面している。二人は俺に仕える家臣である以前に俺の恋人なのだ。俺の行為を咎めるというよりは嫉妬が原因だったらしい。

 立ちあがって三人の衣服を瞬時に脱がすと、ハレは全身赤くなって胸を隠し、エレノアは恥ずかしそうに両手で股間を隠した。ソラは隠すことなく堂々としている。ソラはノーブラなので脱がすのが簡単だった。その内サイズの合うのを作ってやろう。


「さて…ではエレノア、ハレとソラの大きさを触って比べてみてくれ」

「…陛下っ!やっぱり怒ってるんですか?私が…小さいから…イジワルを…」

「いや、そんな心算は無いんだけどな、ただ第三者の手でだな…」

「ぐすっ…」


 泣いてしまった。ハレとソラが裸のまま冷たい目で俺を見ている。これはこれで興奮するがエレノアをフォローしないと拙い。


「悪かった。お前の願いを聞いてやるから許せ。あと本当に悪気は無かった」

「ヒック…じゃあ体術の試合をお願いします。この一月忙しくて出来ませんでしたから」

「そうか…なら服を…」

「陛下も脱いで試合って下さい」


 なんだかそんな事になった。全裸になってエレノアとレスリングっぽい総合格闘を何試合もした。真面目にやったので色気も糞も無い。俺の寸止めは完ぺきなので傷つけることは無かったがエレノアは時たま俺の顔を寸止めできなかった。わざとかもしれない。もしくは心が起こさせた行動か。


「ウル様もエレノアさんも頑張れー」

「ウルファスは本当に強いのですねハレ様」

「もう…様付けなんて良いですよ。ウル様はドラゴンだって御一人で倒したんですよ」

「まぁ…それはすごい♪やっぱり王の上に立つ王ですねー」

「ねー」


 ハレとソラは裸でベッドの上で寛いでいる。仲のいい事だ。


「陛下っ!まだ試合は終わっていませんよ!」


 エレノアは俺に腕ひしぎを掛けてきたので力ずくで外す。その後も後ろになったり上になったり下敷きにされてから返して上から押さえこんだりした。エレノアと出会ったころの俺と比べて体力が大幅に増えたものだ。その所為で何度も何度も試合ができた。ついにエレノアは大の字で床に寝ころんだ。汗だらけである。六つに割れた腹筋を汗が伝うのは実にそそる。


「べぇ~はぁ~」

「満足かエレノア?」

「ふぁい…ふぅふぅ…」

「ふむ満足か、それは俺も嬉しい」


 エレノアは『久々に心行くまで試合が出来て大変満足です』と、言ったのだ。基本的にエレノアは性的な接触よりこうした試合の方を喜ぶのだ。最近は俺の体力が膨大なものになったのでエレノアは最後には恍惚と成ってくれる。やはり体力は資源である。こういう光景を見れるとは母の胎内に居た時は思わなかったものだ。


「ウル様、汗をお拭きします」

「妾もお拭きします…逞しいお背中…この背筋があの力を作っているのですね」


 二人は俺の肉体に興奮しているらしい。美女とレスリングを楽しんだ後にタイプの違った二人の美女に体を拭かれる。至福の時である。前世ではこんな経験はしたのだろうか?前世は幸福だったか不幸だったのかさえもはや記憶に無い。まぁこの世に生を受けてもう一五年だ。この世で生きるウルファスにはもはや前世は関係無いのだろう。

 さて、体力は無尽蔵にあるから風呂に入らずにこのまま二回戦をしようかな。汗だくのまま二人を抱えてベッドに放り込む。ピンクの髪の白い肌の農村出身の美女と褐色の肌の赤紫の髪の王家出身の美女…申し分の無いコントラストである。どちらの美女も期待した表情である。さて、楽しむとしよう。


「ホントゼツリンデスネマスター」


 ベッドの端に留まったシアンの使い魔がガン見しているが、それも俺を興奮させるだけである。

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