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第四話

こうしんが・・・・・




こんな作者のこんな作品ですが、読んでいただけたら嬉しいです。



……いつか文章力を上げて改稿したいですね。

 ドガン!!!


 轟音とともに、栗原くんの放った火球が爆発する。


 それを『空蝉』で防ぐが、爆散したせいでうまく防げず、いくつかの火が俺にかかる。


 熱い、なんて思う暇もなく、次の火球が飛んでくる。



 勝負は俺の説明を聞いたあと試しに、と放った火球が全て防がれた栗原くんが色々頑張り出したせいで激化していた。


「・・・っ!」


 そんなことを考えている間に、また火球が飛んでくる。『空蝉』を使うが、火球は爆散し、俺に迫ってくる。


 俺は『空蝉』でうみだした火球をその魔法ーーちなみに最初に栗原くんの放った火球とは別の魔法ーーの特性である“爆散"を制限し使用することで3つに分けて栗原くんの魔法を防ぐ。


 なぜ同じ様に爆散させないのかというと、そもそも『空蝉』とは相手と同じ魔法を作り出す魔法である。つまり、俺が今回の戦いではまだ防御にしか使っていないというだけで、『空蝉』自体は防御魔法ではないのだ。最初に火球を防いだのは例えるならば刀を刀で防ぐようなもの。対していま彼が放った爆散する火球はいわば散弾銃の様なもの。俺が同じ様に爆散させて防ごうとしても、それは散弾銃の弾に散弾銃の弾をぶつけてそれを防ごう、といったものだ。だから俺は同じ様に爆散させずに防いでいる。まあ、この方法だとどうしても全てを防ぐことは出来ないので多少のダメージは負うことになるのだが。


「おい、どうした、さっきから防御ばっかじゃねえか」


 そう言われてみればそうだな。よし、そろそろ攻めてみようか。


 ーーということで俺が使ったのは無属性魔法『守斬かみきり』。


 その結果どうなったのかというと、栗原君の火球ごと俺の魔法が彼の左腕を(現実ならば)切断ーー厳密にいえば切断ではないのだがーーした。まあ、ここは『偽りの理』の中なので、彼の左腕には何の変化もない。少なくとも表面上は。実際、この中で四肢を切断されるとしばらくその部分に痺れが残る。だから、発動に複雑な指の動きを必要とする魔法の発動は当分できなくなる。ただの学生がそんな魔法を使えるのかは疑問だが。


「おめぇ、いまなにした?」栗原君が聞いてくる。


 別に答えなくてもいいのだが、フェアじゃないということで俺は答えてやる。


「今のは、『守斬』。一言でいうと対象を斬る魔法だよ。厳密に言えばちょっと違うんだけど詳しく解説する気はないから、こう認識してくれれば大丈夫。」

「なんか、説明雑じゃない?最初の魔法は丁寧に説明してくれたのに。」

「いいだろ、結構面倒くさいんだよ、説明。それに自分の魔法を何でもホイホイ教えるほど親切なつもりもないしな。」

「・・・ならなんで最初の魔法、『空蝉』だっけ、それはちゃんと説明してくれたんだ?」

「ちゃんと説明してはいねぇよ。あれについても本質的な部分はちゃんと隠してる。」

「ふ~ん。そうは思えなかったけどね。」

「すごいだろ、俺の話術。」

「ん~、まあ、いいや、続きやろうぜ、俺ももっと本気出してくからよ。」


 ・・・俺別に本気出してはいないんだがな。

 ・・・いっか。別に。


「おう、こいよ。」


 俺がそういった途端、栗原君の周りに魔法陣が5つ展開され、その魔方陣1つにつき火球5つが放たれる。どうやらまた別の魔法のようだ。こいつの魔法、見た目はほぼ同じだから無属性魔法使ってなかったら判別するの面倒くさかったろうな。・・・もしかしてこれこいつの作戦か・・?


 とか考えているうちに魔法陣から放たれた火球ーー放たれた方向は適当のようだーーがせまってきている。

 また『空蝉』で防ぐか。

 ーーー!!!

 ーーー急に火球が向きをかえ、俺に集まってきた。急な変化のため『空蝉』は間に合わない。


 仕方がないから『守斬』を使う。


 結果、火球のすべてが両断される。


 ・・・ここらで『守斬』の説明でもしてみようか。

『守斬』の本質は防御魔法だ。

 その攻撃的な魔法現象からはわかりにくけれど。

『守斬』はいわばカウンターの魔法。任意の範囲に展開され、その範囲内で使用者に向かってくるものに干渉し、分ける魔法だ。その結果斬ったような現象がおこる。当然斬らないという選択もできるし斬り方も変えられる。デフォルトでは真ん中を両断する。


「それにしてもお前、さっきから全然攻撃してこねえな。なんでだ?」

 栗原くんが言う。ちっ、気付かれたか。


「何でそう思う?『守斬 』でお前の腕を斬ったはずだが?」


「ありゃあ防御魔法だろ?それにあのといき以外俺はお前から攻撃をうけてないぜ?」


「……何で解った?」


「何が?」


「『守斬』だよ。何故防御魔法だとわかった?」


「ああ、解ってないぜ。」


「…は?」


「だから、あれが防御魔法だなんて解ってないぜ。まあ、もしかしたら、くらいは思ってたけどな。」


「俺を騙したってわけか…。」


「失礼な。交渉術といってくれ。」


「・・・っ」


「しいて言うなら、あの『守斬』の魔法式。あれの製作者のファンなんだよ。俺。」


「ファン?」


「ああ。その製作者は主に無属性魔法の魔法式を作っているが、作品の中には火の属性魔法の魔法式もある。その火の魔法に惹かれたんだよ。んで、さっきの『守斬』その製作者の魔法式の魔法現象に似てたんだよ。雰囲気とかがな。」


「そうか・・・。」


「ああ、それじゃそろそろ終わりにさせてもらうぜ。」


その言葉とともに、栗原君が両手を前にかざす。

読んでいただきありがとうございました。


よろしければ次回もどうぞ。


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