第3話
ひらいて頂きありがとうございます。
自分の文章力の無さに辟易とします。
魔法空間。それはつまり魔法で造られた空間である。
何人もの魔法使いが集まってようやく形成できる代物で、その中ではその中にしか存在しない法則が働く。
例えば、決闘時によく使われる魔法空間、『偽りの理』。その中にいる限りその中の人が死ぬことは決してない。正確には『偽りの理』に編み込まれている概念魔法『生贄人形の怨念』が全てを肩代わりし、致死量の以上のダメージを受けきった瞬間、『偽りの理』の外に弾き出されるのだ。実際はもっと細かに設定、調整されているのだが、これが魔法空間『偽りの理』の簡単な説明だ。
そして魔法空間を展開できる教室を全ての魔法学校では魔法空間質、と呼んでいる。
俺は今そこに向かっているのだ。
っていうかもうついた。
やっぱりすごいね。風魔法の力は。
まぁ、かけたの俺じゃないけどなっ。
ついたんだけど、入ってはいない。
何故か。なんか中にいる西村くんがもうすでに誰かと戦っているから。
・・・・・・なんで?
まあ、いいや。
でも、どうしよう。
入るべきか、入らないべきか。
うむむむむ。
うん、入ろう。
戦闘中に入るのは失礼だとか、危険、だとか言われているけど気にしない気にしない。
「失礼しま~す」
別に聞こえるわけじゃないけど、一応言っておく。
礼儀正しい学生。これぞ先生からの高評価のポイントの1つ。
魔法空間への入り方だが、何のことはない。
使用する魔法空間のことを考えながら“入り口”に入るだけである。
『偽りの理』にはいる。
次の瞬間、
「メガファイア」
呪文が聞こえ、俺の目の前を直径50センチほどの火球が通り過ぎる。
んで、西村くんに直撃。
うわぁぁぁぁ、なんて叫びながら西村くんの体が消える。
『偽りの理』から強制退出させられたのだ。
「あぁ、弱ぇ、弱ぇ。ん?誰だお前。」
火球を放った学生が俺に気づいたらしい。
「俺は細波。さっきいた奴に決闘を申し込まれてきたんだけど。何が起こった。」
「いやぁ、俺がここで鍛錬してたらさ、さっきいた奴が急に入ってきてな、あろうことか、ここは自分が使うから出て行け、なんて言うんだぜ。信じられねぇ。だから戦って、ここから出した。」
ふむ、つまり西村くんはここに入って、中にいた奴を追い出そうとして、返り討ちにあった、というわけか。
なんかさぁ、最初から思ってたんだけど、雑魚キャラ要素てんこ盛りじゃね、あいつ。
「そっか。で・・・鍛錬?ここで?」
「あぁ、俺の魔法はちっとばかし強力だからな。こういうとこでないと全力をだせんのよ。」
「へぇ、邪魔して悪かった。じゃ、俺はもう出てくから。」
俺はでて行こうとする。
が、そこで声がかかる。
「ちょっと待てよ、お前暇だろ?さっきの奴弱くてさ、物足りないんだよね。だからさ、俺と戦ってけよ。」
「おいおい、何言ってんだよ。わかってないなら教えとくけど、さっきの奴はA組で俺はB組。あんたが誰かは知らんが俺なんかと戦ってもかえって物足りなくなるだけだぞ?」
「ははは、何言ってんだよ、はこっちの台詞だ。おまえ、あいつより強いだろ?俺の目は誤魔化せんよ。」
「・・・・・・何を根拠に?」
「じつはさっきから下位の火魔法を撃ち続けてんだけど、まったく効いてない・・・だろ?」
なんだと、くそ、全く気づかなかった。
俺もまだまだ精進が必要だな。
ってゆうか危なくない?こいつ。問答無用で攻撃仕掛けるって何?
「おっと悲観することないぜ。俺、そういうの得意なんだよ。」
「・・・・・・」謝る気は無いのか。
「で、どうよ。闘わない?」
んん、こいつなら相手になるかな?
それに俺が気付かないレベルの魔法攻撃。
もしかして結構強いのか、こいつ。
面白そうだな。いっちょやってみますか。
「わかった。戦おう。その前に改めて自己紹介をさせてくれ。俺の名前は細波 祐也。B組だ。」
「おう、俺は栗原 海渡。クラスは・・・Sだ。」
まじか、こいつS組だったのか。一番上じゃねぇかよ。
真面目にやんないと負けるかもな。
「じゃあ・・・スタート」
そう叫ぶともに栗原 海渡が右の掌を俺に向ける。
刹那、その掌から火球が放たれる。
ーーーが、俺の前に突如出現した火球にぶつかり四散する。
いまのは俺の使った無属性魔法、『空蝉』。
栗原が息を呑む。
当然。
なぜなら空蝉には本来あるはずの魔力の揺らぎがないのだから。
つまり相手は魔法の出現を全く感知できないのだ。
「・・・今の何だ?」栗原くんが言う。
「今のは無属性魔法、『空蝉』。説明が欲しければするけど、どうする?」
「・・教えてくれ。」
「わかった。そもそも無属性魔法の性質は“干渉”。今のはお前の魔力と魔法式の間に干渉、そしてお前の魔力を少し頂いて全く同じ魔法を出現させた、ってわけ。お前の魔力を使っているから本来あるはずの魔力の揺らぎはないように感じてしまう。これが『空蝉』。」
魔力とは魔法を使うためのエネルギー。
そして魔法式は魔力を特定の魔法に変換させるツール。
厳密には魔法とは現象ではない。
例えば、ファイア、という魔法がある。
それは火を発生させる魔法であり、その効果によって発生した火は魔法ではない。それは魔法が起こした現象であり、魔法現象、と呼ばれる。
魔力を電気に例えたとすると、魔法式は電化製品。魔法現象はその電化製品のもたらす恩恵となる。
ある特定の魔法を発生させるには、その魔法の魔法式を頭の中で展開しそれに沿って魔力を変換させる必要がある。
だからそのときに魔力を乱されれば魔法は不発、あるいは暴発、となる。
その要領で、相手の魔力に干渉し、その魔力を利用して相手と全く同じ魔法を行使するのが『空蝉』。
この魔法の利点は相手に感づかれないこと。
欠点は相手と同じ魔法しか出現させられないこと。
「反則みたいな魔法なのよな。」
「ーーーさあ、どんどんいこうか。」
読んで頂きありがとうございます。
読みにくくてすいません。
以後の話を円滑にするために説明をねじ込みました。