見回りシスター
初めてちゃんと女性キャラが出ます。
そして今回はその女性キャラ視点で話が進みます。
考えてみたら今までおっさんしか出てなかったもんなぁ・・・
私の名前はマリアンヌ、聖エルモア学園で聖魔術を教えているシスターです。
自慢はこの国では珍しい黒髪でしょうか、手入れを欠かさずにしている黒髪は腰まで伸びています。
私は今、町の見回りをしています。
なんで見回りなんかしているのかというと、最近生徒のたて笛が市場に出回っているという噂が流れているからです。
清き乙女のたて笛には一部特殊な人間の魔力を回復させる祝福が付属されるという伝説があり、それを何処からか知った人間の仕業だと思われます。
生徒達からは盗難届は出ていないので、今まではただの噂だと思って放置していたのですが、ミンシアのたて笛が新品になっているのを見て確信したのです。
ミンシアは天真爛漫な良い子なのですが・・・なんといいますか、元気過ぎるのです。
彼女のたて笛には小さい傷が沢山付いていたのですが、先日見た時、たて笛には傷一つ無かったのです!
買い換えたのかとも思ったのですが、ミンシアは買い換えてはいないと言っていました。
彼女はこんな事で嘘をつく子ではありません。
それが気になった私は何人かのたて笛を見せてもらいました。
明らかに新品のたて笛と思われる物が何本か見つかり、生徒に買い換えたのかと聞いても返事は全員『買い換えてはいない』でした。
これだけで市場に盗まれたたて笛が出回っているとは言い切れませんが、ただの噂で終わらせる事が出来なくなってきたのは事実です。
そこで私は学園長に相談をして、教師達の街中の見回りを提案しました。
私は絶対に犯人を捕まえてみせる!
私は気持ちをより一層引き締めて街中の見回りを始めました。
待っていなさい笛泥棒!