高額たて笛は少女の香り
この小説は何処に向かっているんだろう。
「いらっしゃい。これは聖エルモア学園のたて笛だよ。」
露店にはたて笛が10本程並んで置いてあった。その全てに美少女の写真が一枚張りついている。
値段はピンキリで、下は5万、上は20万と高めの値段だ。もしかして効果が違うんだろうか?
「今年のエルモアは粒ぞろいだよ。ミンシアちゃんとかエルナちゃんとかも揃ってますから、是非みてってくださいな!」
店主が少しイヤラシイ感じの笑顔でたて笛を進めてくる。
買えない訳じゃないが、近距離戦闘系の俺には少し勿体ない気もする。
そうそう、この世界では俺等のようなプレイヤーの成長は止まっているが、NPCは普通に成長する。だから学校もあるし、幼女もいる。
たて笛屋の店主が『今年のエルモアは・・』といったのはその為だ。
因みにNPCと結婚もできるらしい。
その時にNPCと永遠の誓いを立てるとそのNPCも成長が止まるらしいが、今のところそういった事があった事はないようだ。
おっと、話が逸れてしまった。今はたて笛を買うかを決めなければ。
正直今のところたて笛は必要ない。必要はないんだ。
そしてたて笛には美少女の写真が張ってあるが、それが本当にその少女の物なのか分からない。一体どんな裏技を使ってたて笛を手に入れているんだろうか?
「これって本当に写真の少女のたて笛なんですか?」
「そうだよ?俺の職業は隠密ってレア職でね。エルモアに忍び込んで新品のたて笛とすり替えてきているのさ。」
なんという犯罪チックな人なんだろう。
しかし、結構苦労してなったはずの隠密のスキルでやっている事は凄い小さいなぁ、この人。
「で、買うのか?」
「そうですね・・・」
店主はニコニコしながら聞いてくる。
正直ちょっと欲しい。世間からロリコンと言われようが関係ない。もう俺はロリコンでいい。
しかし高いのだ。これはお金に余裕がある成功した一部の人間のみが買える物なんだろう。
悩んでいると、遠くからシスター姿の女性が歩いてきているのが見えた。
「やば、シスターにバレたらマズイ!」
店主は女性を見ると露店を瞬時に片づけ始める。
すぐに片付け終えて俺に名刺を渡してくる。
「もし欲しくなったらここに連絡くれな!ささやきでもいいから!」
ささやきとは名前を指定して遠くに離れたプレイヤーと話せる・・まぁ、携帯電話みたいなものだ。
【隠密 ラング】
名刺には職業と名前だけが書いてあった。
「俺はガンツっていうんだ。また会おうな。」
「おう!またな!」
ラングはそう言うとダッシュで人ごみに消えて行った。