馬車旅
馬車を運転する人って馬借っていうんですね。
グーグル先生が教えてくれました。
「うはー!早いですね!凄いですね!馬可愛いですね!っていうかあれ何ですか?あのモコモコ!ねぇ、ガンツさんあのモコモコなんですか!?ねぇ!ねぇってば!」
馬車に乗ってからリンはずっとこんな感じだ。
乗客は俺とリンしかいないから別に良いが、あんまりにも酷くなってきたら少し黙って貰おう。
馬を操作している馬借の男性は何か微笑ましい感じでチラチラ見てくるし、中々恥ずかしい。
「あー、あのモコモコは羊ってやつだよ。あのモコモコは服とか毛布になるんだ。」
「あれが羊ってやつですか!うはー!モコモコってますね!モコモコってますね!!」
「そうだね、モコモコってるね。」
馬借の笑いをこらえる声が聞こえてくる。
「あれは何ですか!?あの羊を追いかけてるやつです!黒いやつ!!」
「あぁ、あれは犬ってやつだよ。羊が逃げないように人の手伝いをしているんだな。」
「そうなんですか。私はてっきり羊を食べようとしているんだと思いましたよ。」
「そうだねぇ、あの犬は全力疾走だから間違えても仕方ないよね。」
「でしょー?」
そこら辺で馬借は限界だったみたいだ。
なんか咽てる。いや、気持は少しわかる。多分ツボに入っちゃったんだろうな。
いや、だってさ、リンって凄い楽しそうにしてるし変なこと言ってるんだけど目が凄い真剣なんだよね。そんですっごいキラキラしてるんだよ。
「お客さん、凄い楽しそうだね。馬車は初めてかい?」
「はい。私、外に出たの初めてなんですよ!だから全部が新鮮で!」
馬借も会話に参加してきて俺達はすぐに仲良くなる事が出来た。
馬借は俺達というか、リンの事が気にいったんだろう。お菓子とかくれたりして中々に高待遇だ。
「もうちょっとで休憩所に着くから、そこで1時間休憩だ。そこは乗り合い所でもあるから客も増える。そうしたらもう少し静かにしてくれるかな。」
馬借がそういってから数分後、ログハウスのような建物が見えてきた。
多分あそこが休憩所なんだろう。
「まだアウロラまでは遠いからね。あんまり最初から飛ばすと後が辛いよ?」
馬借はそう言って笑った。




