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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 浅草サンバカーニバル
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スペシャルゲスト

 あるエンサイオのミーティング時に、ハルから発表があった。

 調整中だったスペシャルゲストの参加が決定したのだ!


 スペシャルゲストは、ガブリエルという名の日系ブラジル人だ。


 かつてガブリエルの父親が経営していた自動車の整備工場がこの街にあった。

 彼もそこで働いていて、商店街が地域を盛り上げる施策を考えていたときに、商工会を通してガブリエルの父親からガブリエルを紹介してもらい、サンバチームを立ち上げるに至ったと聞いている。

『ソルエス』の七人の創設者にサンバをもたらした人物である。


 当時のメンバー全員にとってのサンバの師であるが、その頃学生や子どもだったママやハル、ジアンにとっては兄のような存在でもあり、ガブリエルにはよく懐いていたという。

 全くの偶然であるが、同じ地元のアキ、ミカ、ウリも子どもの頃ガブリエルからサッカー教えを受けていたらしい。


 自動車整備工場はその頃畳むこととなり、ガブリエルはブラジルに渡ってしまったため、実際の交流期間は長いものではなかったが、その後も先代代表を含めた何名かとはSNSなどで繋がりは保っていた。

 昨年仕事の都合で約二十年ぶりに来日したガブリエルとは今のメンバーも会っていて、人懐っこい笑顔や愛嬌の良さ、意外と真面目なところなど、ガブリエルを知らないメンバーにも好感を持って迎えられた。


 今では創設時のメンバー同様、彼を愛称のガビと呼んでいる。



 わたしもガビは好きだ。

 親切で優しい紳士、でも話すと面白い。

 みんなの先生だけあってダンスはすごく上手だし、楽器もできて、それぞれの教え方も上手だ。

 わたしも昨年の来日時にエンサイオで少し教えてもらった。

 男性なのにパシスタの身体の使い方を見せながら教えてくれて、指先までしなやかで滑らかなダンスはとても美しかった。

 わたしはノペの時の腕の動きが、スピードに合わせて早く動かしがちだったのだが、ガビの動きはスピードにもリズムにも合っているのに、早いというよりは優雅に動いていた。


 ノペのときの指先は「オリーブの実を摘むように」と表現していた。

 オリーブの実が生っている姿を明確に見た記憶はないが、イメージしやすく、その通りにしてみると目に見えてノペのシルエットが美しくなった。


 そんなガビと、今回は同じコミサォンというグループで浅草サンバカーニバルに出られる。

 ハルからは、ガビの来日は浅草サンバカーニバルの半月前で、練習などはそんなにできないため、ガビはある程度フリーで独立した動きをしてもらうと伝えられていた。

 連携などは少なく、一緒に練習する機会はそれほどはなさそうだったが、それでも昨年よりは長い時間、教えを受ける機会が得られそうで楽しみだった。

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