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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 浅草サンバカーニバル
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バンド隊準備

 参加が決まった『アシェル文波音楽堂(仮)』のメンバーも、浅草サンバカーニバルに向けた準備のスケジュールに組み込まれる。


 今年のバンド隊の衣装はブラジルの国花イペーをモチーフにしている。

 イペーはイエローの可愛らしい花だ。

 カントーラのゆきえさんはイエローを基調にしたひらひらのドレス。ところどころに花びらをあしらったような飾りがついている。

 ヴィオラォンのマッサンとカヴァキーニョのキョン、プシャドールのユキ(弓削優季(ゆげゆうき))のバンド男性陣は似たデザインのローブ。


 アリスンはゆきえさんと、有働くん名波くんは男性陣と揃えた衣装を作成する。

 素材は予備をもらえたので揃っているが、後発なのでチームで設定している衣装制作日とは別に、衣装作成をしなくては間に合わず、全員が空いている放課後の日を見つけ出して自主衣装制作日に当てていた。もちろんわたしも手伝う。



 急がなくてはならず、でも精度も求められる作業。

 労働と言えば労働だが、これもまた楽しい。

 学園祭は、本番当日はもちろん楽しいが、準備が一番思い出に残るのではないだろうか。特に、大きな失敗をするなどして、期日までに間に合いそうもなく、先生に頼み込んで徹夜の作業を許してもらい、みんなで夜通し準備をしたとしたら、得難い青春の一ページになるだろう。


 浅草の衣装制作はそれに似ている。

 学生時代特有の感覚だが、サンバには学校を卒業しても続く青春があるのだ。

 ちなみに一部リーグのチームは、衣装に加えて『アレゴリア』(山車やフロート。ごってごてに飾り付け、人が何人か乗って上でパフォーマンスできるくらい大きなもの。ルールで自走してはダメなので、何人かで押して運ぶ)も作るので、より大変で、よりやった感が出ていることだろう。


 うちのチームもいつか一部リーグに行ってその苦労を味わいたいと思った。


 いや、近いうちにわたしが一部リーグに引き上げる! それくらいの気合いがないとね。


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