表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 浅草サンバカーニバル
67/101

軽音部

 部活は軽音部に入ることにした。

 アリスンの影響もあるが、大会の出場や練習などバンドごとでの活動が中心のため、組んだバンドメンバーとの調整で練習などができるので、都合がつけやすかった。

 ギターならヴィオラオンにも転用が効くし、歌も歌いたいと思っていた。


 アリスンはベースにするらしい。声がきれいだからボーカルも適していそうだ。


 この学校の軽音部の部員の数は百名近くに及ぶ。甲子園常連高校の野球部くらいいるのではないだろうか。

 然程厳しくないとはいえ校則があるから当然ではあるが、それほど派手な印象な生徒は少なく、どちらかと言えば真面目そうな雰囲気だった。

 説明会で聞いてはいたが、実態を目の当たりにするとやはり驚きはあった。


 今年の入部希望者も多そうで部としての人気の高さがうかがえた。ただ、同じく人気の高いダンス部は抽選があるらしく、希望のまま入部できる軽音楽部で良かったと思えた。パートも希望したものを担当させてもらえ、組むメンバーも自由だ。


 これだけ人数が居れば初心者で、サンバ主体で考えているようなわたしでも入れそうなバンドは探せる気がした。

 ただ、身勝手を言えば仲良くなったアリスンと組んでみたかった。彼女はどんなジャンルの音楽が好きで、どのようなスタンスで部活動に励むのかを訊こうとしたら、先に尋ねられた。


「メンバーは好きに決めて良いみたいね。とりあえず一緒にやろうよ」


 後で組み替えても良いし掛け持ちもできるから、気楽に組もうと言ってくれた。正直わたしもその方がありがたい。


 ギターとベース。メロディーとリズムが揃ってはいるが、アリスンも初心者だから、掛け持ちで教えてくれながら足りないパートを補ってくれそうな先輩を探そうかと相談していたところに、二人組の男子生徒から話しかけられた。要約すれば、一緒に組まないかと言う勧誘らしい。


 男子は男子、女子は女子で組んでいるグループが多いが、混合のグループも何組かいるようだ。

 この学校の軽音楽部は女子の比率がかなり高く、男子のみで組もうとすると倍率が高いのかもしれない。

 とはいえ、母数自体が多いし掛け持ちもできるので、組む相手に困りはしないはずである。


 ふたりは自分の名前を名乗った。

 マッシュショートの方が有働太郎(うどうたろう)

 厳つい名前に反して大人しそうな見た目の少年だ。しかし意志の強そうな瞳が印象的だった。

 ベリーショートの長身の少年は名波浩名波浩(ななみこう)

 こちらは真顔が少しきつそうな印象を与えるが、表情が柔らかく雰囲気を中和している。

 ふたりとも少し線の細い体格やあどけなさの残る顔立ちの見た目通り、わたしたちと同じ新入生だった。ただ、経験者ではあると言う。


 初心者二人では埒が明かないので、経験者からのお誘いはありがたいのだが……。

 どうも、アリスンが目当てっぽい。ナンパ目的ではなさそうではあるが、初見で声を掛けてきたのだから何らかの意図はあるのだろう。


「率直に言えば、戦略的な目的で声を掛けたんだ」


 有働くんは腹の内を明かすように言った。

 ナンパ目的も含め、初対面の男子からの急な声掛けに付随する警戒感を解こうとしているようだった。そして、騙す意図もないのだと。

 だから、隠しごとなく率直に自分たちの目的を話していると言うのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ