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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 浅草サンバカーニバル
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お祝いしたいるいぷる

 先日面接したバイト先の採用を知らせる連絡をもらった。

 シュハスコを提供するブラジル料理のお店だ。


 実里の紹介ではあるが、コネと言うほどではない。

 人材不足が喫緊の課題と言う店舗ではなかったから、良い人が居ればほしいくらいの思惑の面接であると最初から伝えられていた。率直に言えば、余程良くなければ申し訳ないけど……と予め含まれていたほどである。

 稀に店内でサンバのショーをやるため、サンバの世界に身を置いていること、パフォーマーとしての利用価値やわたしに繋がるサンバ関係者への配慮など、多少忖度はあったかもしれないけど、経費を払うのは店舗である。

 店舗のお客様に迷惑をかけた場合、困るのも店舗である。それでも採用してくれたということは、人件費を払う価値と、お客様への接客をさせても問題ないという評価が得られた証だ。

 コミュニケーションに迷走していた去年が嘘のようだった。



 あるエンサイオにて。

 るいぷるがわたしのバイトの採用の情報をどこからか鍵つけてきた


「おめでとうっ! お祝いしようよ! 学校の合格祝いもできてないから、みんなも一緒にお祝いしよう! シュハスコでしょ? お肉祭りじゃん‼︎」


 お祝いは嬉しい。

 みんなのお祝いも一緒なら楽しいだろうなと思う。

 だけど、シュハスコに響いているってことは、わたしが働くお店でやるってこと?

 わたしが働いている中でみんなお祝いするの⁉︎

 わたし働いてたら祝われてなくない? それどころか、サービスする側じゃない!


「ふ。ばかだなぁ」

 なに少しダンディな感じで言ってんのよ。


「るいぴが休みの時に行くんだよぅ!」


 それなら、まあ。

 でもちょっと待って。

 雇い主にるいぷるって見せても大丈夫なのかな?


 なにが決定したわけでもないのに、「いえー!」などと、ハイタッチしてくる。わたしも応えてしまうからいけないのか。


 こんなのと付き合いがあるなんて知られたらわたしの人間性まで疑われて採用取り消しになってしまうんじゃ?


「しゃああ! 食うぞお!」


 まだそのお店で良いなんて言ってないのに勝手に気合入れてる。

 ふいぷるは発声練習しなきゃなどと言いながら、「この店にあるお肉、全部持ってきてくださる?」というセリフを、いろんな声色で言っている。

 正気か? このひと。



「そのお店ってあの駅出てすぐ右に曲がったとこにあるビルの地下にあるところ?」


 るいぷるが騒いでいたからか、ミツバが気付いて声を掛けてきた。

 ミツバとは何気にきちんと会話をするのは初めてかも。

 つい「はいっ」と先生への返事みたいになってしまった。


 サンバのショーなどもやるお店だからミツバも知っている店とのことだった。なんならショーを依頼されたこともあるらしい。


「みぱっち、主じゃん! 頼もしい! 一緒に行きましょーよ。ぶいぶいいわしちまいましょーや!」


 相変わらずと言うか、さすがと言うか……。


「予定が合えばね」


 ミツバも肝が太いのか、るいぷるの距離感にも、突拍子もない呼び方にも、よくわからない言動にも動じていなかった。

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