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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 浅草サンバカーニバル
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高校生活

 たくさんの期待と、少しの不安で心を満たして、わたしの高校生活が始まった。

 入学式はどきどきしたが、二日目からは初々しい感覚は残っているものの、否応なく過ぎてゆく日常になっていく。


 新しい生活はまずは慣れる作業に費やされた。


 電車での通学。

 新しい人間関係。

 より細分化された授業。

 給食ではなく、学食やお弁当を任意で食べるシステム。



 入学してまず驚いたのは、前の席の子が綺麗なプラチナブロンドのふわふわした髪に透明感のある青い瞳の、日本人が思い描く美しい西洋人そのものの少女だったことだ。


 身長は西洋人にしては小柄で、平均的な身長のわたしより少し低く、やや華奢でまさにお人形さんのようという表現がピッタリ当てはまる。

 入学式の時、他にも何人かの外国人をルーツに持つように見える生徒は確認できていたが、同じクラスということもありその少女には特別目を引かれた。


 やっぱり国際科のある学校は違うなぁとぼんやり思いながら金糸のような髪を眺めていたら、その子が急に振り返った。

 見惚れていたところに急に振り返られたものだから、あわあわしてしまう。

 長年通ってきた英語塾の成果を活かせるチャンスは、あうあう言っている内に潰してしまいそうだ。


 もし天使と言うものが実在するのなら、こういう見た目なのでは無いだろうか。

 振り向いたその子は、見た目に合った軽やかな透き通った声で、見た目とはミスマッチな言葉が紡がれた。


「中学どこ? 部活とかもう決めた?」


 よくよく聴けば、イントネーションが少し異なっている箇所に気づいたかもしれないが、ほぼ日本人と変わりのない流暢な日本語だった。


 身近にはいなかったので驚いたが、日本国籍を取得した元は他国の籍を持っていたひとの子孫や、ハーフなど、見た目が外国人でも中身は日本人そのものというひとは最近増えている。

 とはいえまだまだ人種の坩堝と言えるような国ではないから、初見のギャップを持ちネタにしたお笑い芸人も何人も見てきた。日本で活躍する日本語に長けた外国人も大勢いる。


 彼女も、そういったひとりで、日本生まれなのかもしれないと思った。

 逆に彼女は、自身の見た目から流れるような日本語で話されると驚かれるのには慣れていたらしく、端的に来歴を説明してくれた。


 名前はアリスン・アシェル。

 そういえば亜里沙も席が近くて仲良くなったんだっけなと、似た音の名を持つ親友を思い出した。


 日本で生まれたのではとの予想に反し、スウェーデン北部のルレオと言う寒い街で生まれ、四歳まではその地で過ごしていたのだと言う。

 両親共にスウェーデンの人で、父親の仕事の都合で日本に来ることになり、年末年始などはスウェーデンで過ごすが、日常のほとんど、人生のほとんどを日本で過ごしてきたのだそうだ。

 スウェーデンという国柄がそうなのか、彼女の母親はフィンランド人の移民をルーツに持っているとのことだから、その影響なのか、両親共に日本語を専攻していたわけではなかったが、日本への出向にはなんの躊躇いもなかったらしい。

 特に母親は日本語に長けてはいなく、未だにうまく話せないにも関わらず、毎日楽しそうだとアリスンは楽しそうに言った。


 自己紹介に慣れているのか、ルーツと来歴を家族構成を合わせて端的に説明してくれた。

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