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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 ふたりのルイ
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二年目 卒業

 中学の制服は別に好きでも嫌いでもなかったけど、洗練されているとは思わなかったな。

 だから、高校の制服を着るのが楽しみだった。

 国際学科のある高校だけあって制服は可愛かった。国際的と制服の可愛さが比例するのかはわからないけど、そこはニュアンスってことで。

 ……わたし、るいぷるに少し似てきた?



 それでも、今日この制服を着るのが最後日なのだと思うと、名残惜しい。

 いつまでも脱ぎたくなくて、いつまでもいつまでも、制服のままでみんなではしゃいで過ごした。


 卒業しても月一は会おうなんて約束しながら。でもきっと、そんなことにはならない。

 半年後にクラス会ができたら良いくらいかな。

 そしてそれも数年は続くまい。


 ほとんどの人はそんなことは分かっていて、だからこそその日を終わらせないようにするように、必死に留めようとするようにはしゃいでいたのだ。


 式では泣かなかったけど、その後にみんなで行ったカラオケで大笑いしながら泣いてしまった。

 薄暗いから誰にも気づかれていないと思うけど。


 それでもやっぱりいつかは終わりが来る。

 名残は尽きずいつまでも店の前に溜まっていていた級友たちも、ひとり、ひとりとそこを後にしていた。


 家の方向が同じ亜里沙と茉奈とは一緒に帰った。はしゃぎ過ぎたのか、歌い過ぎたのか、帰りは三人とも無言だった。



「瑠衣のイベント、スケジュール出たら全部教えてよね」


 ぽつりと亜里沙が言った。

 都合付けて全部茉奈と観に行くから、と。茉奈は泣いていた。



 遠方のイベントもあるし、夏休みの忙しい時期に毎週週末がイベントになったりもする。

 さすがに全部は無理があるが、気持ちが嬉しかった。


「うん、絶対伝える」



 亜里沙も茉奈も、友人であり、わたしの恩人でもあるのだ。

 わたしからは絶対に手は離さない。

 いや、仮に亜里沙や茉奈から手を離されそうになっても、しがみついてやる。

 そう言うしたたかさが、身についていた。これもるいぷるの影響だろうか。



 その日、わたしは卒業をした。




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