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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 ふたりのルイ
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当日、午前中

 開場に合わせ、女性ダンサー、男性ダンサー、女性バテリアとバンド、男性バテリアとバンドと控室が分かれていて、それぞれ割り当てられた部屋へと向かう。

 カメラマンや給水などを手伝ってくれるスタッフさんは、バテリアの控室だ。

 男性ダンサーは少人数で荷物も少ないため楽屋が与えられる。ジアンとミカのカザウは準備もペアで行うため、男性ダンサーの控室を使う。

 ジアンが着替える時は控室内にある舞台がカーテンを引けるようになっているのでそれで仕切っていた。

 他のパートは大きい会議室だ。それぞれ広いが、特に女性ダンサーの部屋はパシスタの羽根が広げられるため、色とりどりの羽根が散在する独特な空間になっている。


 各々自分の場所を確保し、荷物を置いたら、一旦ミーティングのため男性バテリアの控室に集合した。


 ハルより全体的なスケジュールが伝えられ、続いて各パートのリーダーより、パートごとの細かいスケジュールや注意事項が告げられた。



 本番の衣装を身に付け、本番と同等の演技を行うゲネプロは昨日終えている。

 それでも最終確認の意味で、着替える前にステージのパフォーマンスを一通り行う手筈になっている。その後はパレードのスタンバイまで自由だ。

 全ての準備が完了している状態を『完スタ』と言い、今日は完スタ後にミーティング(ハルのスピーチ)にて士気を高め、パレードのスタンバイエリアまで移動する流れだ。


 空き時間は長いが色々とやることがある。

 それぞれで楽器の調整をしたり、簡単な慣らし演奏をしたり、メイクをしたり、パレードコースの下見に行ったり、ステージの場当たりをしたり、ユニットで軽く練習したり、昼食をとったり、人によっては休息や瞑想に使ったりし、本番が迫る頃、それぞれ完スタの時間から逆算して着替えを始める。

 基本はユニットメンバー単位でまとまって動いていることが多い。


 わたしたちも六人で行動していた。

 お昼もみんなでサブウェイに行くと決めていたので、お弁当は持って来ていない。

 パフォーマンス前にたくさん食べると動きが鈍くなる気がするが、長丁場で気温も暑く、食べないと体力が心配だ。

 もちろんそれぞれで、塩分のタブレットやエネルギーチャージ用のゼリードリンクなどを準備しているが、食事をとったという実感も欲しかった。

 最初は回転寿司という案もあった。量の調整ができ、寿司以外のバリエーションも豊富で、それぞれのニーズを満たせると考えたためだ。

 しかし、休日のお昼時はかなり混んでいて待たされることが分かった。お昼は何時に出られるかはその日にならなくてはわからない。もし時間が決まっていたとしても予約してまではなぁと、手軽に食べられるサンドイッチに落ち着いたのだった。


 お昼はみんなリラックスしていて、意外なほどパフォーマンスに関しての話題は出ず、このイベントが終わったら本格化していく受験生組の受験勉強に関する嘆きが中心だった。

 来年から中学生になる三人も我が事のように聞きながら、それでもまだ現実的ではない、少し先の未来について、文系と理系どっちにしようとか、あの高校の制服が好きだとか、どの高校のなに部が強いと言った話をしていた。


 受験生組の嘆く姿でさえ、楽しそうだった。

 こんな景色が見られるなんて、一年前にひとりでお弁当を食べていた時は想像もしていなかった。


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