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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 ふたりのルイ
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ありがとう

 改めて、思う。


 多分わたしも、るいぷると同じようにこのまま傷に気付かずに成長したとしても、大きく歪むことなく躓くことなく、比較的順調な人生を歩めたと思えた。


 るいぷるの言う「恵まれている環境」には、わたしにも自信がある。

 わたしには家族がいる。

 ママもソータもおじいちゃんも、仮に傷が残ったままのわたしであったとしても、わたしが歪まずに育つための環境として瑕疵なんて無い。


 わたしには家族と同等と思える『ソルエス』のメンバーがいる。

 小さな頃からずっと可愛がってくれた大人たち。でも、ただ甘いだけの他人ではない。わたしのことを真剣に思ってくれる親のような存在だ。

 ライバルでもあり仲間でもある同世代たち。ぶつかることもあるし、決して仲良しこよしの関係性ではないかもしれない。だけど、同じ方向、同じゴールを向いた姉妹のような存在だ。


 わたしには普段から仲良く、けれどここぞというときは本気で助け合える友だちがいる。

 決して数は多くない。だからこそ、それぞれが困ったら、それぞれがすぐに助けに向かえる。同志のような存在だ。


 これだけの人に囲まれている、恵まれている。

 きっとなにがあっても大丈夫だったはずだ。



 だけど、今日るいぷるに気づかせて貰えたことは、最も近い位置にいる家族、ママへの本当の気持ちだ。

 近いが故にお互いに気付けなくなっていた心。

 いつの間にか失くしていた、昔大事にしていた宝物は、ずっとずっと、身近にあったのだ。



 ママ。

 ママ。大好きな、ママ。



 るいぷるの言うように、痛みを麻痺させて凌ぐように生きてしまったとしたら、こんなことは当たり前すぎることだと表層ではその想いを認識していられるかもしれないけど、深層の想いは心の奥底で硬質化して機能しなくなっていたかもしれない。


 ママへの想い。この、暖かな想い。

 今その温もりに気づけているのがその証拠だ。さっきまで、この暖かさは意識できていなかったのだから。



 その想いに気づかせてくれた人に、改めて、思うのだ。


 今はまだ、恥ずかしくて言葉では伝えられない。

 言葉にしないと伝わらないことはわかってる。だから、いつか必ず伝える。



 でも、今は、心の中で、心から、思う。




 類。ありがとう。







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