表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 ふたりのルイ
49/101

面白サンバ少女

「るいぴっぴの良いところって、硬さと面白さが融合しているところにあると思うんだよねー。

ストイックが、真面目さが、厳粛さが克ち過ぎると、面白成分が減って硬くて乾いた殻みたいになっちゃう。硬いけど割れやすいんだよ」


 ストイックで真面目、良いじゃない。

 ハイーニャになるのならば厳粛さもアリじゃない?

 でも、面白いってどう言うこと? そう言えば亜里沙と愛菜もそんな言い方をしていたような。わたしはギャグとかいうタイプじゃないし、余りふざけたりもしない。完全なる真面目側ではないだろうか。


「るいぴっぴは面白いよ。面白さがあるから、その硬さが愛らしさになるんだから。それを考えたら、面白の方が本体なんじゃない?」


 まるで自覚がない。心当たりもない。

 面白さが本体だなんて、なんかおめでたい人みたいではないか。


「わたしが一番痺れたのは、あの時かなー。

他のチームの人たちもたくさん参加していたあのイベント。あの時、どこかのベテランぽい人がるいぴっぴに話しかけてきたんだよ。覚えてる?

そのベテランぽい人がさー、るいぴっぴを明らかに子ども扱いして、どんなダンサー目指してるの? なんて訊いてきて。

質問は良いけど、態度がなんかるいぴっぴをおまめさん扱いでさぁ。まあ結構な年齢差ある感じだし、自分の子どもか孫に対して接するようなものだとしたら、悪意はないのだろうけど、その直前のるいぴっぴのダンス見ていたら、心得のあるダンサーなら大人顔負けのダンスに敬意払っても良さそうだよね。

それでもるいぴっぴは真摯に『ハイーニャ目指します』って答えたらそのベテラン、赤ちゃんをあやすように、『まあ! 偉いねえ!』みたいなリアクションしたんだよ」


 なんとなくそんな出来事もあったかなぁくらいには覚えてる。


「ベテランが去った後るいぴっぴがぼそっと、『燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんやかっ! 雀みたいな顔しよってからに』って突っ込んでたの!

えー⁉︎ なにその文豪みたいな突っ込み! センスの塊じゃん、なんてじぇーしーだよ! と末恐ろしさに震え上がったものよ」


 近いこと言ったかもしれないけど、明らかに盛っている。わたしは「しよってからに」なんて言いまわしはしない。


「そんな面白サンバ少女がよ?」


 誰が面白サンバよ!


「その面白潤いを乾かして、硬くてパリパリになってしまいそうで、勝手ながら危機感を覚えているのです」


 人を羽根付餃子のように言いよってからに。あ。


 なんて、最近得意になりつつある心の中の迷走を繰り広げていると、るいぷるの声のトーンが少し変わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ