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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 ふたりのルイ
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るいぷるのお誘い

 それは悪魔の誘惑か、死神の張り巡らせた罠か。どっちにしたって身を滅ぼすやつじゃん!


「るいぴっぴー!」

 着替えを終えたわたしに、るいぷるが声をかけてきた。

 わたしだよね、るいぴっぴって。

 なんだそれは。ポケモンか何かか。


 今日はママもソータも居ないから、歩いてひとりで帰るはずだった。

 練習終了時間は施設利用時間が終わる時間でもある。なんの用かわからないけど、このタイミングで声をかけて来たってことは、何の話をするにしても一緒に帰る羽目になるのだろうな。



「で、好きな人いるの?」


 何その質問⁉︎ で、ってなに?

 そんな話してなかった!

 なんて距離の詰め方なのだ。わたしくらいの年代の女子には恋バナでもしとけ的な考えの大人もいる。けど、これはそう言うのではない。

 亜里沙や愛菜とのやり取りのような、心地良さ? ではないか、違和感のなさ? うん、それがしっくり来るか。

 要は友達とのやりとりのような軽妙で壁のない感じ。

 どこは気を遣って、どこは気を遣わなくて良いかを熟知している間柄のような。


 その距離感を、大して仲が良くもないのに創り上げてくるのだから、やっぱりこの人は尋常じゃない。


 ……大して仲良くない、か。


 きっとわたしがるいぷるに苦手意識を持っていることに気が付いているんだろうな。

 その垣根をあっさり超えて来て、こちら側から垣根を壊しに掛かるのだ。まるで一緒に壊しているように。

 自分を苦手だと思っている相手と一緒に? 

 ほんと、敵わないな。

 これが近いうちハイーニャを争うライバルのひとりになるのかと思うと本当に嫌になる。

 きっとその内ポケモンみたいな呼ばれ方にもすっかり慣れてしまうのだ。なんて恐ろしい相手だ。



 なぜか既にこの後お茶をすると確定しているようだ。


 お店に入り、向かい合って座ったわたしたちは、この前味わえなかったフルーツとクリーム盛り盛りの限定フラペチーノに頬を緩めている。

 自分の方がおねえさんなのだから奢らせて! と路上で騒ぎ始めたるいぷるを止めるためだから仕方ないよね。



 きっともう、術中にはまっているのだ。わたしは。

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