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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 ふたりのルイ
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迫る『サンスターまつり』

『サンスターまつり』までもう数えるほどの日にちを残すのみとなっていた。


 日中に開催される土曜日のエンサイオは貴重だ。

 スタートから参加すれば四時間は練習できた。

 さすがに本番が迫っている中の休日のエンサイオだけあって、比較的参加率が高い。

 とは言え、このイベントに数ヶ月特化していたメンバーも多く、ある程度のメンバーは円熟の域に至っており、この時期に詰め込まなくてはならないような状況にはなく、学校や仕事などの都合で不参加の者もいるにはいた。ママにソータ、ジアンは来ていなかった。


 パフォーマンスはかなり仕上がって来ている。後は細かいところの精度をどこまで高められるかだ。

 ユニットのパフォーマンスは通しでやればやるほど完成度を実感でき、わたしだけでなくユニットメンバー全員が充実した気持ちを感じていた。

 追い込まなくて良い余裕が、視野を広く持てて、より良い見せ方に気付けるなど、好循環のスパイラルに入ったようだった。


 今日はひいは途中で親が迎えに来るそうで、その時点でほづみと帰る予定だった。

 時間に限りがあるので、まずはユニットの練習をしていたが、満足度の高い内容だったので、衣装やメイクについての打ち合わせをすることにした。細部の細部までこだわれる。それは練習やコミュニケーションが充実していることを意味していた。



 ハルは今年の『サンスターまつり』を、近年では随一の充実さを見せていると評していたが、お祭りの集客や『ソルエス』の参加メンバーの人数だけではなく、個々の状態も充実していると思った。


 るいぷるがビオラにメイクのことを訊いている。

 彼女も新人ながら、割り振られた演目の練度は高い水準に来ているのだろう。

 一方、サンバのメイクは特殊な側面もあるから、これはこれで知識と練習が必要だ。

 パフォーマンスが最優先ではあるが、時間を割けるならメイクの技術も身につけるに越したことはない。ビオラはメイクもうまいから、教えてもらうには適任だろう。

 とは言えである。まだ歴の浅いるいぷるなのに、傍目からは十年来の知己のように気安く接している。ビオラも楽しそうに教えていた。



 ひいの親が迎えにきたようだ。

 姉のほづみに声をかけられ、ひいはごめんねと言いながら帰る準備をしに更衣室に入って行った。

 着替えを終えて出てきたひいを見送りながら、メイクのカラーについて確認する。メーカーとカラーを合わせて、同じメイクで揃えることにしたのだ。

 見送りを終えて練習場に戻ると、るいぷるはえなとゆかり、最近エンサイオにあまり来られていなかったシオとナオの年少組に加え、わゆ、みー、ゆうも一緒になって、ノペ合戦なるものを繰り広げてた。

 合戦というくらいだから集団戦で、勝ちや負けあるのだろうか、時折「ぎゃーー‼︎」だの、「うわーーっ‼︎」だの、絶叫が聞こえる。

 るいぷるは全敗しているのか、大体叫んでいるのは彼女だ。

 年少組四人の誰よりも騒いでいる。精神年齢が一桁なのだろうか。

 わたしたちの中でも大人びているみこともさすがに引いたような目で見ていた。



 残りの時間はみこととお互いのソロを観ながら改善点を出し合って、完成度を高めるのに使った。

 少し疲れている状態で、二曲連続をフルで踊ってみたところ、体力もだいぶついてきていた。衣装を身につけたら疲労度は変わってくるだろうが、余力はあるので、なんとかなりそうだ。

 ゲネプロで試して最終確認ができれば問題ないと思えた。


 エンサイオのラスト数十分はバテリアと合同で、歌い手の『カントーラ』がエンヘードメドレーを通しで歌い続ける。

 バテリアが入ると爆音になるため、もう会話はできない。ひたすらに踊り続けるのだ。

 時間的に最後のエンヘードと思われる曲は、ゆっくり丁寧なノペを中心に踊って、クールダウンとして使った。


 久しぶりにエンサイオの開始から最後まで練習したが、充実していたと思えた。良い気持ちで帰るつもりだった。のに!

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