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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 ふたりのルイ
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ルイの試み


『浅草サンバカーニバル』が終わったら、いよいよ『サンスターまつり』が間近に迫る。

 今年の『サンスターまつり』は、カザウが復活し、ジアンたちの取り組みの後押しもあって、商店街も盛り上がっている。ハルとしてはかなり注力する方針だった。

 メンバーも呼応し、高校受験を控えているわたし、ひい、みこと、大学受験を控えるほづみも欠けることなく、十代メンバーは全員参加を決めていた。

 また、半引退メンバーもこぞって参加する総力戦の様相だった。

 ミカ、るいぷる、アイジ、アキ、ウリの新人たちも全員出演する。


 練習もエンサイオの他パートやグループごとの自主練も活発で、参加率も高かった。

 十五歳以下組の六人が揃う機会も増えて来た。今はあまりギスギスしてはいないが、冷戦のような雰囲気は否めない。

 基本相互不可侵、必要があれば話はする。その話は特に素っ気なかったりつっけんどんだったりはしないが和気藹々ともしてはいなく、必要最低限と必要充分の間程度のやり取りにて終わり、その時間以外は黙々と練習をすることになる。


 細かくそれぞれを見れば、わゆ、みー、ゆうの組み合わせ、ゆう、みことの組み合わせ、みこと、ひいの組み合わせ、わたし、わゆ、みーの組み合わせで軽い雑談をすることくらいはあった。

 組み合わせが固定化しているのも問題だなと思った。そしてわたしが含まれていない組み合わせが多いのも。

 あの一件以前と比べ、やや話しかけにくい状況ではあるが、先日のアキとのやり取りを思い出せば、やってやれなくは無いとの感触は得ていた。



 その日の練習はダンサーのみの自主練だった。

 公共施設の貸し会議室にモバイルのスピーカーや音源を持ち込んで行われる。ユニット練習ではないため、メンバーが揃っているグループは振り付けを確認したり、揃っていないグループはソロの練習をしたりしている。


 十五歳以下メンバーは六人揃っていた。

 他にはヒトミ、ジル、るいぷる、にーな、ほづみが練習に来ていた。

 ユニットが揃っているわたしたちは、早速揃える練習をしたいところだが……。

 ウォーミングアップの時間は好機と思えた。


「そのレギンスかわいいね。どこの?」


 ひいが着用していた淡いレッド系のタイダイ柄のレギンスはとても似合っていたし可愛かった。姉のほづみもお揃いの黄色と黄緑のレギンスを身につけていた。ほづみとひいはいつもおしゃれだ。


「これ? どこのだろう。おねーちゃーん! このレギンスってどこのー?」


 おもねっても気を遣ってでもなく、純粋に気になったから訊いた言葉に、余計なニュアンスなんて乗っていなかったからか、ひいもフラットに対応してくれた。


「自由ヶ丘のセレクトショップじゃなかった? LA12STってブランドだよ。かわいいダンスウェアいっぱいあったよね」


 自由ヶ丘かぁ。ほづみはこともなげにテレビや雑誌で見かける地名を口にした。

 やっぱりおしゃれだなあ。


「あ、知ってるー。上野にも扱ってるショップあるよね」


 みことも会話に入って来た。


「みことのも格好良いよね」


 みことのレギンスはブラックとネイビーで、淡いパープルのショートキャミによく似合っていた。これもお世辞などでは無い。


「みことのはブラジルソル? わたしもそこの好きー! 銀座にショップあるよね」


 るいぷるも話題に入って来た。みことは「そうそう」と頷いている。


「るいっちはカラーに関しての感性鋭いよねー」


 るいぷるがにこにこと言ってくる。わたしはるいぴーではなかったのか。適当だなぁ。


「あ、わたしも思った」ほづみが同意した。


 広告やグラフィックのデザイナーを仕事にしているるいぷると、いつもおしゃれなほづみ。

 そんなふたりに感性のことを褒められてなんだかくすぐったい。

 褒められ慣れていたはずなんだけどなぁ。

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