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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 ふたりのルイ
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自分のこと

 アキは、子どもの取るに足らない質問に、子ども扱いをせずに、質問と同じくらいの軽さで回答してくれた。

 やっぱりアキはコミュニケーションに長けているのだなと思った。


 とにかく、アキが会話を厭うていないことはわかった。わたしを子ども扱いせず、変にかわしたり、「大人の対応」みたいなので誤魔化したりしない。同等の目線で語ってくれる人だとわかった。

 だからわたしは、最も訊きたかったことを尋ねることにした。


「アキはすごいね。仕事ですごいことをやって、でも仕事より気持ちを優先して人生を自由に生きてる」


 アキは笑ったりしていない。茶化したりしてこない。


「わたしはサンバが好き。どうせやるならハイーニャを目指したい。『ソルエス』の地位も上げたい」


 休憩としては長くなり過ぎているかもしれない。

 でも、どうせ今日はノペを踏んで休むを繰り返すつもりだった。

 アキは練習したいかな? 表情を見る限り、じっくり聴いてくれそうな気がする。

 アキだってハルやウリが来てからじゃないと本格的に合わせられない。ふたりが来るのは早く見積もってもまだ一時間は先だと思う。

 もう少し話してても良いよね。


「だから自分の練習は一生懸命やる。

衣装は自分に合う、自分をより良く魅せてくれるものを身につけ、手入れは丁寧にする。

でも、ダンスは個人技だけじゃないから、ダンサー同士の連携や信頼関係をもっと高めて、振り付けやユニットでのパフォーマンスのレベルを上げたい」


 アキは黙って聴いてくれている。


「信頼関係を作るにはコミュニケーションからだと思って、話しかけようとしても全然うまくいかない。なんなら険悪になったりしちゃう。

わたしに何か問題あると思う?」


 普通はここで、問題あるなんて言わない。大人なら。

 なんとなくそれっぽいことを言って傷つかないようにして納めてくれる。

 でも、今のわたしは解決策が欲しかった。解決策を考えるための情報が。

 もちろん、どうにもならないことを指摘されて傷つくのは嫌だ。

 すごく他人任せだけど、アキは問題点を指摘するとしても、建設的な内容になる気がした。



「問題があるかはわからないな。

ルイとはそこまでたくさん話したことがあるわけではないから。今話している印象では、別に問題は感じないよ」


 そうか、アキの側に充分に情報が入っていなくては指摘しようもないのか。

 見込みを誤ったと思いかけた時、


「ルイが認識している所見と、感じている所感から考えると、少なくともコミュニケーションがうまく取れていなく、険悪になってしまっていると言う、ルイがそう思っている事実はあるわけだ」


 そう、だ。

 ちょっと回りくどいけど、そう言うことなのだと、思う。

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