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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十五歳 ふたりのルイ
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新始動するソルエス

 ハルが今年度の予定について大雑把に語っていた。

 その目は期待に満ちているように見えた。やはりカザウが揃うのは、チームにとって大きな意味を持つのだろう。


『浅草サンバカーニバル』については、当初の予定通り今年もローコストで必要充分な成果を求める方針に変更はなかった。

 うまく調整がつけば『浅草サンバカーニバル』にも出したいが、そこはあまり無理はしない。もともと浅草はカザウなしで計画を立てていた。そこで無理くりデビューさせるのではなく、その次のチームにとってのビッグイベントに備え、確実に練り上げたいのだそうだ。

 浅草の次に訪れるチームにとってのビッグイベント。チーム発祥の商店街が開催主の『サンスターまつり』だ。その起源もさることながら、パレードとショーをおこなう盛りだくさんな構成で、演者にとっても気合の入る楽しみなイベントだった。


 カザウの本格的な披露はその『サンスターまつり』に照準を合わせるとのことだ。

 どうも『サンスターまつり』自体、今年はかなり力を入れるそうだ。

 近年は少しずつお祭り自体の盛り上がりに翳りがあったが、その原因である商店街の衰退に歯止めをかけるため、ジアンたちが企画や集客などに取り組んでいるらしい。


 とにかく『ソルエス』として、『サンスターまつり』に注力すると言うことだ。

 わたしはこのイベントには元々出る予定だった。

 イベントに優劣をつけるべきではないが、わたしの今年のテーマと手法を考えれば、時期も重要だが、やはりチームとの結びつきの強いイベントや規模の大きいイベントに選んで出る必要があった。その選んだイベントが、より盛況になるのは願ってもない。

 ただ、練習時間は今の想定より増やす必要がありそうだ。予定組みがよりシビアになると思った。



『ソルエス』は『サンスターまつり』に向け、にわかに騒がしくなった。

 半分引退していたような人たちも、イベントに出ることになり練習に参加していた。休眠状態だったメンバーはバテリアが多い。彼らが戻ってきてくれたことで音に厚みが増していて迫力がある。

 バテリアは全体で音を作り上げていくから、久し振りに加わったメンバーと音が合わない場面もあったが、今後の練習で一体感が増し、単なる人数増以上の相乗効果をもたらすだろう。


 休眠メンバーの復活だけではなく、メンバーの純増もあった。

 ジアンが連れてきていた見学者はふたりとも入会することになった。


 男性はサンバネームを名前のままアイジで登録し、バテリアで『タンボリン』を叩く。

 タンボリンは小さい太鼓で、片手で持って演奏をする。もう一方の手で持ったバチで叩くのだが、太鼓の持ち手を回転させて演奏をする技法が見た目にも華やかなポジションだ。

 高音で速いピッチを担い、小さいながらかなり大きな音を鳴らすことができる。


 わたしと同じ名前のあの女は、一応わたしに配慮したようで、サンバネームはるいぷるにしたらしい。ぷるってなに⁉︎

 人数が増えるのは良い。

 でも、るいぷるはどうにかならないのだろうか。

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