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千紫万紅のパシスタ 累なる色編  作者: さくらのはなびら
十四歳 コミュニケーション迷子
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イベントはつづく

 夏のイベントシーズンは続く。

 各地のお祭りなど、ほぼ毎週の土日にはなんらかのイベントが入っていた。


 十五歳以下のメンバー六人全員が揃うイベントはこの前のお祭りのイベント以降なかったが、夏のイベント皆勤のわたしは全員と関わる機会は持てた。

 その機会を、わたしは未だ有効に使えてはいない。


 イベントが増えれば自ずと練習は増える。特にステージでショーの形式のあるイベントは、出捌けや振り付けなど、ユニットごとでおこなう練習。


 イベント本番の前後も機会は多い。

 イベント前のメイクや着替えなどの準備の時。

 日中のイベントの昼食時。

 お祭りに呼ばれたイベントならイベント後に巡る屋台。ときには花火鑑賞。


 今年は然程注力しないとは言え、衣装作成やリハーサルなど共同作業、その後の打ち上げなども含め、いくらでも機会のあった『浅草サンバカーニバル』でさえも。


 コミュニケーションを意識しすぎたわたしは、コミュニケーションを取るためにあつらえられたような場すら活かせず、成果らしい成果を得てはいなかった。




 こんなにか。


 こんなにもか。



 これまで、チヤホヤされすぎたのかもしれない。

 人はわたしに話しかけてくるものだと思っていた。

 驕りだという自覚はある。

 そんな生き方をしていて、話しかける能力が育つわけがないとの自覚もある。


 それでも、たかが話しかけるだけである。ここまでできないとは思わなかった。


 いざ話しかけようとしても身体が固まってしまったかのように動かない。

 かろうじて口が動いても、掠れたような音が出ただけだ。多分話しか掛けようとしていたことにさえ気づかれていない。


 己のあまりの不甲斐なさに枕を濡らした夜さえある。


 いや、かつてはできていたことすらできなくなっている気がする。いくらわたしでも、誰かに話しかけたことくらい人生のなかでは何度でもあったはずだ。

 具体的な対象である十五歳以下メンバーに限ったとしても、これまでは、お互い積極的ではなかったがために頻度は低かったものの、コミュニケーション自体は普通に取れていたはずだ。


 呼吸は無意識に自然におこなっているもの。呼吸の仕方を意識した途端、呼吸ってどうやるんだっけ? みたいな感じになるのと似ているのかもしれない。

 意識するからいけないのだと、考えるからより意識してしまう。こうなってはもう手に負えない。


 

 そもそも、友達ってどうやって作るんだっけ?

 などと、コミュニケーションのゲシュタルト崩壊みたいな状態になったわたしは、コミュニケーション迷路に迷い込んでしまっていた。


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