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ジークVSキャラメル 3

身動きのできない上空で杖を構えたキャラメルだが、初動が遅かったのか特にこれといった抵抗も見せることもなくあっさりと大蛇に一飲みにされてしまった。


あまりの呆気なさに拍子抜けしたジークだが、彼にとってこの戦いは前哨戦でしかなかった。本命はミスタープティングとの闘いなのだ。


笛を吹いて大蛇を元に戻そうとした途端、大蛇がのたうち回り始めた。


「なんだ。何が起きた!?」


突然の事態に目を見開く中、大蛇は激しく暴れ回った末に勢いよく倒れ、ピクリとも動かなくなってしまった。


やがて、その中からひょっこりとキャラメルが姿を現した。


「貴様、俺のペットに消化されたのではなかったのか」

「喉を大きな胡麻団子で防いだから飲み込まれずに済んだんだよ」

「先ほど飲み込まれたのはそれを狙っていたからか……」


大蛇は黒い粒子となり、跡形もなく消え去ってしまった。


飲み込んだ時点で勝利を疑わなかったが、予想外の策で切り抜けるとは。


大切なペットを失い、ジークは歯を強く嚙みしめ、憤怒の形相でキャラメルを睨む。


口から炎を吐き出すが、なぜかキャラメルには命中しない。


「私には当たらないよ」


バレエのような動きで華麗に回避しているようにキャラメルは思い込んでいた。


けれどそれはキャラメルの動きが優れていたからではなく、単にジークがわざと狙いを外していたからに過ぎなかった。


「あなたも年貢の納め時だね。おじいちゃんと戦う前に私に倒されなさい」

「それは俺の台詞だ。お前に逃げ場はない」

「え?」


気づいた時にはキャラメルの周囲の草が燃え、円状の火柱が上がっていたではないか。


超高温で身体を照らされ、煙の影響で酸素は薄くなる。


周囲を燃やされてしまってはその場から動くことができない。


「大人しく消し炭になりな!フハハハハハハハハハハハハッ」


口を長袖で押さえて煙を吸い込まないようにする中、炎の奥からジークの勝ち誇ったかのような笑い声が木霊していた。

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