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魔人ジーク

「きゃあああああっ!」


突然の火炎攻撃にキャラメルは悲鳴を上げながらも、咄嗟に両腕を防御の姿勢をとるが、炎は容赦なくキャラメルの服に引火。


彼女を炎が包み込もうとする。


「熱い!熱いよぉ!」


泣きわめきながらも素早く地面に勢いよく寝転がって、回転で炎を鎮火させる。

どうにか火は消えたが服には焼け焦げた跡ができてしまった。


「お気に入りの服を、どうしてくれるのよ!」


キャラメルが人差し指で男を指して非難すると、男は高らかに笑って告げた。


「俺は魔人ジーク。伝説の魔法格闘家ミスタープティングと戦いに来た」

「残念だけどおじいちゃんは留守なの。一昨日来なさい!」


べーっと舌を出して挑発してからキャラメルは扉を閉めようとする。


しかし、男はドアの取っ手を掴んで抵抗し、結果としてキャラメルは力負けしてしまい、男を家へと入れてしまった。


魔人ジークは先ほどの攻防で尻餅をつき、涙目になって怯えているキャラメルに対し、容赦なく握った拳を振るってくる。


命中する寸前に男の両足の間をくぐって回避したキャラメルは、どうにか家の外へと出ることができた。


狭い家の中や廊下で戦闘をするにはリスクが高すぎると判断したのだ。


彼女に釣られたかのようにジークも扉を破壊して外へ出た。


「これいじょう私の家を壊したらただじゃおかないんだからっ」

「小娘。お前を叩き潰せば、ミスタープティングがやってくるんじゃないか?」

「そ、そんなわけないでしょ……」

「声が震えているぞ」

「……ッ」


星型の杖を突きだしながらもキャラメルは声は裏返り、足は震えていた。


祖父の助けもないまま、彼女はたったひとりで魔人と戦わなければならない。


「明日は気をつけなさい」


――祖父の言葉が生々しく蘇り、彼女はその真意を悟ったのだった。

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