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体格差の壁

家でお茶でもすすりながら、のんびりと帰宅を待っているであろう祖父を想像してキャラメルは怒りに駆られたが集中すべきは目の前の敵であった。

人々が興味本位で円のように集まる中で、ブーヒャとキャラメルの対決は幕を開けた。

豚のオークは肥満体とは思えぬ俊敏な動きで三叉槍による連続突きを見舞うが、素早さではキャラメルも負けてはいない。

右へ左へと回避しながら、ブーヒャのスタミナを奪う作戦に出た。

巨大な三叉槍は少しでもかわすことを失敗すれば肉が抉られてしまうだろう。

背中や額から冷たい汗が流れるのをキャラメルは止められなかった。

動きが鈍いとはいえ、ブーヒャはキャラメルの何倍ものパワーと体力がある。

このまま派手に避け続けたらスタミナが底をつくのは自分の方だとキャラメルは察した。


「おいおい、逃げてるばかりじゃつまらねぇぞ!」

「お嬢ちゃん、反撃しろぉ!」


野次馬からの罵声が飛ぶ中、キャラメルは歯を嚙み締めて睨みを利かせる。

いいわよね、見ている人は呑気で。

私は命がかかっているのよ。

それに私が負けたらこの豚の餌になるのはあなたたちかもしれないのに。

何度目かの単調な突きをかがんでかわしたキャラメルは、スライディングキックでブーヒャの豚足を蹴飛ばし横転させると、素早く足を取って片足逆エビ固めに入る。

細い腕で目一杯に絞り上げるが、ブーヒャは余裕の舌なめずりをしている。


「どうしたい。俺をギブアップさせるんじゃなかったのかな?もっとやってみろよ」

「やってるわよ!」


流れ出る汗で目が染みる中、必死で絞り上げるが体格が違い過ぎて極まらないのだ。


「そらよッ」


足の力だけで強引に逆エビから脱出すると、尻餅をついたキャラメルに意地悪く笑う。


「お楽しみの時間といこうぜ、お嬢ちゃん」

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