表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

180/213

第177話 vsミトラ神(5)

「まさかこれほどとはな。正直、サクラの力を見誤っていたよ」

「ふふん、分かればいいのよ、分かれば」


「ああ、もうお前は、どこに出しても恥ずかしくない超一流のバーサーカーだよ」

「そ、そう? まぁ? アイセルさんの尊敬するケースケに言ってもらえたら、満更でもないかな?」


 サクラが照れたように視線をプイっと俺から外した。


「今のは本気で助かったよ。ありがとうなサクラ」


「別にそんなのいいってば。バーサーカーはアタッカーでもあるけど、やっぱり一番の役目は盾役(タンク)だもん。後衛を守るのは当然なんだから。それに今はアイセルさんがアイツとの戦いでかかりっきりだから、アイセルさんの分まで後衛を守るのが私の役目だしね」


「ほんと頼りになるし、これからも頼りにさせてもらうな」

 俺はバーサーカーとしての力を使いこなすだけでなく、その精神性もすっかり一人前になったサクラを、手放しで褒め称えた。


「でもでも、よそ見はやめてよね。アタシだっていつも助けに入れるわけじゃないんだから。こいつマジ強いから、気を抜いたら死んじゃうんだからね?」


重々(じゅうじゅう)気をつけるよ」


「それで? 何か思いついたの? ケイスケのことだから、ただボーっとしてたんじゃなくて、作戦を考えてたんでしょ?」


 サクラが信頼と期待のこもった視線を向けてくる。


「ごめん、それについては実はまだ何も――」

 と、俺が言いかけたところで、


「ご無事ですかケースケ様!」

 冒険の神ミトラを鬼の形相で牽制しながら、スルスルと俺たちの位置まで下がってきたアイセルが合流した。


「アイセルにも心配かけたな、ごめん。ちょっと考え事に没頭し過ぎてた。でもサクラが守ってくれたおかげで、この通り無傷だよ」


「それは良かったです。それと助けにいけなくて申し訳ありませんでした」


「アイセルは冒険の神ミトラと1対1で戦ってたんだから仕方ないさ」

 俺のその言葉を聞いて、


「? ええっと? 冒険の神ミトラ……ですか?」

 アイセルがこてんと首を傾げた。


「ああ、ちょうどいいタイミングだから2人にも説明しておくよ。エンジェルの正体は、冒険の神ミトラなんだ」


「ええっ!? 神様ですか!?」

「どういうことなの、ケイスケ?」

「簡単に説明するとだな――」


 俺はアイセルとサクラの2人に、ここまでに解明できたエンジェルの正体について説明をした。


「ふへぇ……まさかエンジェルが神様だったなんて。どうりで桁違いに強いはずです」

 俺の説明を聞いたアイセルが感心したようにこくこくと頷いた。


「ふーん、アイツって神様なんだ……マジムカつく!」

 しかしサクラが意味不明なことを言う。


「なんでだよ? サクラのその脈絡のない思考回路に、俺は時々ついていけないんだが……」


 これが年の差って奴か?

 やだなぁもう。


「だって! アイツなんか笑ってるんだもん! 神様のくせにこっちが必死に戦ってるのを見て笑うとか、感じ悪すぎだし!」

 と、サクラがなにやら妙なことを言い出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ