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空の翼
空を覆う雲を見た
四方を囲む山々の端から端まで
白い雲の群が浮かんでいた
空や雲を眺めたり
風に吹かれることに忙しい
だから働いてばかりいる暇は無いんだ
かつてそんなことを思っていたのに
空を見たのは久しぶりだった
夏の終わりなのか
秋のはじめなのかはわからないが
青い空に
羽根のような雲
何か大きなものに触れた気がした
視線を落として
アスファルトの地面を見る
ひび割れから生える草は水が足りないのか
一部枯れた色をしている
けれど生きている
大きな翼の様な
空を飛ぶ様な生き方は出来なかった
それなりの歳月を生き
あるいは既に枯れつつあるのかもしれない
何も残せないだろうとも思う
もう一度
視線を上げて空を見た
真っ白な雲が並び
空に浮かぶ大きな翼のようだった




