第1話「ここ、どこ?」
初めましての方も、初めましてじゃない方も、おはこんばんにちは!
作者の三城谷と申します。この作品は、カクヨム様より連載していた作品で御座います。
そのまま移植して、1話ずつ投稿していく予定で御座います。
異世界転生物となっていますが、他の作品より拙い部分も多々あると思います。
その辺も含めて、応援していただけると幸いです。それでは、本編へどうぞ。
――自由が欲しい。
そんな事を思い始めたのは、幼少の頃だった。齢4歳で感じてしまう程に、私の人生は最初から確立されたもの。それが主な原因である事は明らか。
『動きが固い!もっと前へ踏み込まないか!』
『これから作法の勉強もしますから、遊ぶ時間は後回しですよ』
両親から投げられる言葉は、全てが家の事情に左右されたものだったのだろう。一児しか産まれなかった事、それが私という女の子だったという事……家督を継がせる為にとはいえ、完全に縛られた世界へと放たれたのが私という子供である。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
数少ない息抜きといえば、唯一許可を得た武道や剣道を嗜む活動。その活動に必要な走り込みをする時間が、私にとって〈自由〉と呼べる時間だった。
『――さ、始めますよ。今日はテーブルマナーから』
「はい、お母様」
無機質に、無感情に、無関心に……言われた事に従う。それがあの家で過ごす為に必要な事で、私が生き残る為に必要不可欠な事だった。けれどそれは、私にとって大きな負担となっていたのだろう。
――気付けば私は、真っ暗な外の世界へと飛び出して居た。
数十年間耐えていたとはいえ、それでもやはり精神には来る負担がある。それがやがて限界を迎えたらしい私は、当てもなく外を歩き回っていた。
暗さから察するに深夜帯であり、勿論、擦れ違う人間も人影も無い。感じるのは喪失感だけで、寂れた感情が私の全身を蝕んでいくのが分かる。
「寒い……どこか屋根のある所……」
適当に歩く事、数時間。やっと見つけた公園の中で、屋根付きのベンチがある場所を見つけた。やや汚い状態ではあるが、雨を防げる可能性を考えれば休憩するには丁度良いだろう。
それに歩き疲れたのか。異様に身体が重たいのもあり、私は座ると同時に蹲るように体育座りをする。膝と膝の間に顔を埋めて、私は長い溜息を吐く。溜息が幸せを逃がすという話があるが、それだと私は何度も幸せを逃がしているという事実が生まれてしまう。
「……まぁ、いっか。幸せとは言えないし」
そんな一言だけ呟いた私は、やや汚いベンチの上で寝転がる。疲労感によって生まれた重さが、一気に瞼へと圧し掛かって来る。眠気に耐えられなかった私は、重たくなった瞼を閉じるのであった。
そして私は――
「ん~~~……ふわぁ~、眠い……」
ゴシゴシと瞼を擦り、私はキョロキョロと半覚醒状態のまま周囲を確認する。するとそこに広がっていたのは、公園などではなく、全く知らない場所なのであった。そして私は訳も分からない状態のまま、率直な感想を呟くしか無かった。
「――ここ、どこ?」