異世界攻略者と1日
翌日、目を覚ますと彼女が顔を覗き込むようにこっちを見て
「可愛い」
咄嗟に思ったことが口に出てしまった
白い肌に赤い髪、同い年くらいだろうかとても可愛い
「な、何言ってるんですか!?」
「照れた姿のも可愛いな。って、起きたのか」
「あっ、はい」
「具合は?」
「大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」
「どういたしまして。俺は松…トオルだよろしく」
「わたしはミーファです」
「なんであんな所にいたんだ?」
「それは…」
まぁ話しずらいこともあるだろう
「とりあえず朝食たべようか」
朝食を食べ終わった俺は、装備を整える
「何をなさるんですか?」
同じく朝食を食べ終わったミーファが聞いてくる
「今から、モンスターの狩猟に行くんだよ」
「そうですか…」
「…」
(さてこれからどうしたものか)
今の俺に何が出来るのやら。
女の子を見捨てるのはナンセンスだが、彼女の気持ちがいまいち分からない。家出か、なら親が探しているはずだが……
家出する理由があったのだろうか。それに昨日の傷からしてモンスターではなく人によるもの。暴力で切り傷は考えにくい。あの傷は、剣だ。
「うーん」
俺が考え込んでいると
「私も一緒に行ってもいいですか?」
「えっ」
「す、すいません。邪魔でしたよね」
「んー、いや全然かまわないよ」
「本当ですかありがとうございます」
リタール平原
モンスターが弱く、比較的てき初心者にも安全と聞いたが…「うぎゃ」
無理無理無理無理 泣
ゴブリンでも怖すぎるだろ
持っているのはダガー。リーチが短い分近ずかなければいけない。
「ちきしょー、最初から武器選択ミスったな。でも、そろそろ慣れてきた」
「うぎゃあ」
一定の距離を取ると飛びついてくる習性を利用して、バックステップから、一撃を入れる
「うきぃ」
「よっしゃあ、初勝利。案外行けるな、相手の行動パターンを呼んで攻撃すればいける。これもしかして、異世界移転したら俺 天才説きたなぁ。ふっふっ」
はたから見たらやべぇやつと思われるほどにニヤついてきた
いやもはやひかれていた
「す、凄いですね」
「あっ」
やべぇ恥ずしいよみられてたよ、俺の失態といい赤面する
「よ、ヨシツギイコウ」
あまりの恥ずかしさにカタコトになり、さらに赤面する
夕方
「よーしこれくらいにすっか」
今日1日でゴブリンを腐るほど狩ったしかしレベルが上がらない。あれか、1レベル上げただけでめっちゃんこ強くなる系だな。まぁ、今に見てろすぐに2レベルへと上がってやる。
「お疲れ様です、トオル」
「おう、ミーファ」
少しずつでいいからミーファとも仲良くしてこうと思う。
だって可愛いんだもん
リタール
「よし、今日は2銀貨と5銅貨かまずまずって感じかな」
1銅貨は、100円辺りで
1銀貨は、1000円という所。
命張ってるにしては少々安い気もするが初心者だからしょうがないと思う。
「いでっ」
歩いていたら少し怖めの男とぶつかった
「おいてめぇ、なにしてくれてんだ?骨折しちまったじゃねぇか」
いかにもモブBあたりのセリフだ、しょーがねぇ
「俺を本気にさせるなよ」
カッコつけたセリフを吐く。普通ならイタいが今のテンションが上がっている俺にとっては、最高のシチュエーションだった。
「何言ってんの。馬鹿じゃねぇの。」
「なんとでも言うがいいさ、いくぜ」
と男を殴ろうとした瞬間
「トオル?」
「ミーファ!」
「んだぁ、女連れかよ」
「…!」
男の顔を見た瞬間ミーファは、咄嗟に顔を隠すようにした
「おめぇ、どこかで…。あーあ、しらけちまったな」
男はそう言い残して去っていった
顔を隠しているミーファは、震えている気がした。