異世界移転そして出会い
「私をたすけてくださいね」
そう見知らぬ女の子はつぶやしいた
笑顔の中にある悲しげなおもいとともに
ジリジリジリジリと目覚ましがなる
「夢かよ」
そう呟いたのは、松岡透
高校2年生 体格が少しいいが運動部には入っていない どちらかというと読書、主にラノベを見る方が好きなので武芸部だ
ラノベの見すぎかと思いながら透は朝食の準備をする
両親とは離れて生活しているから自炊だ
「よし行くか」
「いってきまーす」
誰もいないはずのへやに声を出す
スマホを片手に電車に乗る
「…けて」
不意に聞こえた声の主を探す
しかし周りにはそれらしき人物はいない
「次はしぶやー、しぶやー」
アナウンスが聞こえ立ち上がろうとするとふらっと立ちくらみがした
いやそのまま倒れ込んでしまったらしい。かろうじて意識はあるが手も足も動かせない。そしてそのまま意識がプツリときれた
「うっ、頭がいてぇ」
「そうだ俺は倒れたんだ」
頭の中で色々と整理し始める
「ここはどこだ?病院ではないな」
なぜそう言えるかと言うと下が草だからだ
とりあえず体をおこし周りを探査する
「うぎっ」
「うわっ、なんだこいつ」
サルともいえるしバケモノにもみえる。いやバケモノだな。そんことを自分の中で思っていると
「うぎやぁ」
「いでっ」
ひっかかれた。かなり痛い。
もう一度バケモノは襲いかかってくる
「くっ」
反射で目を閉じる。痛くない。
恐る恐る目を開けるとさっきのバケモノが血だらけで倒れている
「う、うわぁぁああっ」
リアルだ、夢じゃない痛みも目の前にいるバケモノも、全部夢じゃない
まだ整理しきれていないでいると
「おーい、大丈夫か?」
1人の男が近づいてきた
「おーい、生きてるかー」
「あっ、はい」
「お前、珍しいな装備もしないで外にでるなんて」
「そ、装備?」
「なんだお前知らねぇのかよ。外にはモンスターがいるだろ?」
「えっと…、この辺は詳しくなくて」
咄嗟に口に出たのはそんな言葉だった
「ハッハッハ、おもしれぇないいぜ案内してやる。冒険者が集う町、リタールを」
どうやら俺は、異世界移転というものをしてしまったらしい
この町を紹介してくれると言った男は、ガイルといい冒険者らしい
この世界では、冒険者としてモンスターを退治しお金を稼いで生活を立てるらしい。ガイルからは、魔王がいることやこの町が冒険者にとって1番の町だと教えてもらった。
「お前なまえは?」
「松岡透です」
「マツオカ トオルか。変な名前だな」
そっか、苗字ってのはないのか。これからはトオルって名乗ろうかな
「とりあえず冒険者登録からだな」
「どこでするんですか?」
「そんなことも知らねぇのかよ、酒場だよ」
王道だなと思いつつ酒場へ向かう
冒険者の登録は簡単だった冒険者としてのルール説明を軽く受けて終了。初心者用の装備を受け取り何やらカードをもらった。どうやらこのカードにステイタスが刻み込まれるらしい
「おっ、終わったか」
「ガイルさん、色々とありがとうございます」
「へへっ、いいってことよ。ただし教えるのはここまでだ。俺らは冒険者、商売敵だからな」
「分かりました、今までお世話になりました」
「頑張れよ」
そう言い残してガイルさんは、さっていった
「さてどうしようか」
とりあえず、モンスターを倒しに行ってみるか
そう思い町の外に出ようとすると
「迷ったな」
なんせ初めての町だ、そりゃ迷う。悩んでてもしょうがないとおもい歩きまわると
「…けて」
あの声だ。現実で聞いた声。とりあえず声の方へとむかう。
消えかけた声をたどっていくと、そこには女の子がいた
「ひでぇ、怪我だ」
とりあえず、女の子を助けるため宿を借りベッドに寝かせた
さっき受付の人が怪しがってたかそんなのを気にしてる暇はなかった
その日、彼女が目覚めることはなかった