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俺は思わず後ずさりをした。
が、坂下は死体をじっと見つめていたのだが、「中を見てみよう」と近くの入口を開けて中に入ってしまった。
この男、行動力と好奇心が人並みはずれてあるのだ。
俺はもうクルーザーに戻りたかったが、仕方なく坂下のあとを追った。
中は廊下で、左右にいくつかの小部屋があった。
坂下はその部屋を一つ一つ覗き込んでいたが、ある部屋の前で動きを止めたかと思うと、扉を開けた。
「見てみろ」
見ればそこには甲板にあったのと同じような死体があった。
口から血を流し、お腹が不自然なほどにへこんでいる死体が。
「もう帰ろうぜ」
「なに言ってる。どんな状況が確認しないといけないだろう」
何故俺たちがこの船の状況を確認しないといけないのかはさっぱりわからなかったが、わかっていることが一つある。
坂下は一度言い出したら、俺の言うことなどまるで聞かないということだ。
いまその状況にあることを、坂下の口調が物語っている。
坂下は扉を閉め、奥に進んだ。
そこに階段があった。
階段を降りると、その先にまた死体が転がっていた。
まえの二人と同じ状態の死体が。
もう怖いなんてものじゃない。
聞かないだろうと思いつつも、戻ることを提案しようと考えた俺だが、そのときあるものが目に入った。




