四話 他人に勝てても自分に勝てるか?
みんなの所に連れていかれると、ギャルの人二人や一年生の子はぼくを怪訝そうな顔で見てきた。いや、一年生の子は戸惑ってるみたいだけど、どこか心配そうな表情をしてくれていた。この子は今ぼくのことをどう思ってるんだろう。なんだか気まずい。
「お前、昼休みのときのやつだよな?」
先輩は肩に回した腕をどけてくれない。
「俺たちお前に頼み事しただろ? なんでそれを放り出したんだ? そのおかげで俺怒られたんだけど」
勝手に押し付けてきたんだからそんなことは知らないよ! と思った。でも、ぼくにはそんなことを先輩たちに言うことはできない。言葉が出ない。
「すみません……」
代わりに謝る言葉は自然と出た。けどそれで、いや、そうじゃダメだっていう思いもすぐに湧いてきた。
「あ、あの。昼のことはごめんなさい。おわびにこの散らかってるゴミ、ぼくが片付けておきます。だから先輩たちは遊びに行ったらどうでしょうか? そこの一年生の子も、他に用事があるって言ってますし、早く行かせてあげたほうが……」
言えた。ゴミをぼくが片付ける羽目になっちゃうけどこれでこの状況は解決できる。
「は? なに? 俺たちがこの子の邪魔してるって言いたいわけ?」
「え。い、いや、そういうわけじゃ」
けど、先輩は怖い声で予想したのとは違うことを言い出した。ぼくの肩に回してる腕がさっきより強く締めつけてくる。
「でも、用事があるって言ってます、から……」
「実はさ、俺、お前と会ったらやろうと思ってたことがあったんだよね」
先輩の腕が肩からどけられた。次の瞬間、ぼくは凄い衝撃を感じて「ぐっ」と息を漏らして後ろにバタバタと後ずさりしてた。考えるより先に手を当てていたお腹が痛い、というより苦しい。歯を噛みしめて片目だけで前を見ると、先輩が右足を踏み出して少し前かがみになった格好でぼくに歯を剥いた楽しそうな顔を向けていた。
――うそぉっ! 蹴った! 蹴りましたよ、この人! ちょっとちょっと暴力て、ガチの不良じゃないすか。というかこの学校こんな人たちがいたの?
――こ、このクズがァッ……!
「俺ちょっと腹立ってるからさ。それをわかってもらおうと思ってたんだ」
笑いながら先輩が近づいてくる。その顔を見たぼくの片足が無意識に地面をこすって後ろに下がっていた。それに一瞬だけ気が向いたとき、ぼくの頬に痺れるような痛みが走って思い切りビンタされていた。続けてお腹に当てている手とお腹そのものにも衝撃が走った。先輩がぼくのお腹をパンチしたんだっていうことがわかった。
「ちょっとぉ、いいの? そんなことして」
ギャルの人が言う。ちらっと見ると、一年生の子が口と目を丸く大きく開いてこっちを見てる。けど、先輩はやめない。ぼくは何度も暴力を受けた。
……痛い。もうどこが痛いのかよくわからないぐらいにあちこちが、全部が痛い。
やっぱり、ここに出てくるんじゃなかった……。
振り回されていると、いつの間にか終わってた。ぼくは地面を見下ろして立ってる。少し顎を上げれば先輩は背中を向けてみんなの方に歩いてた。
「あぁー、スッキリした! はっはっは」
ぼくを痛めつけた先輩が明るい声でいう。
……これで嫌な時間が終わった。という実感が強く湧いてきた。体は痛いけど安心できた。結局こんなことになったけど、これでもう今回のことは終わり。たぶん、先輩ももうぼくを痛めつけたりしないと思う。だからこれでいいんだ……。
「さて、じゃあ、カラオケ行こうぜ。お前らも。このゴミはそこのそいつが片付けてくれるってさっき言ってたし。あ、もちろん後輩ちゃんも行くよね?」
「え!」一年生の子が、凄くびっくりした声を上げた。「え、わ、わ、わ、わたしは」ぼくが出て行く前の、困ったような態度とは違う。あの子は、すごくおびえた表情をしていた。
「まあ、いいじゃん。絶対楽しいって。ほら」
先輩があの子に言い寄るところを見てると、ぼくはそれがあの子にとってすごくまずいことなんじゃないかなと思った。ぼくの体がうずいて、痛んでるのをもっと感じる。
見続けるうちに体だけじゃなくて胸の奥がまた締め付けられる感じがした。と、すぐにさっきのやっぱり出て行くんじゃなかったっていう気持ちと安心を感じたときの気持ちが復活してきた。
ぼくは……。ぐっ…………。ぼくは……。
「先輩。その子、このあと用事があるみたいですよ」
ぼくはそう言っていた。
先輩がポカンとした顔でこっちを見ると、「ククッ」と笑って近づいてきた。グーに握った手を上げると、これまでビンタ以外はやってこなかったぼくの顔に向けてそれを……!
………………
…………
……
「てめぇ、いい加減にしとけや」
とっさに、振り下ろし気味の拳を受け止めることができた。掌にちょっとした痺れを感じる。危ねぇなぁ、顔のすんでのところじゃねぇか。
拳を止められた奴は「は?」って呆けた面をしてやがる。
「仲間と囲んで後輩に絡むなんてかっこわりぃ真似すんじゃねぇって言ってんだよ」
掴んだ拳をひねってやる。
「痛い、痛い、痛い!」
すると奴は悲鳴を上げた。それで慌てて抵抗し始めた。力比べするのも面倒で拳を放してやる。奴は手首を押さえながら一歩後ろに下がった。
それを見てからオレは自分の体に目を落とすことにする。くそっ、制服の腹に靴の跡がついてやがる。手で払う、と腹に鈍い痛みが走った。
痛ってえなぁ……。この野郎、好き勝手殴りやがって。
――インデックス。その怪我で後遺症などは残らんだろうな?
――いやぁ、さっきのはギリギリだったねぇ、インディくん。ヒヤッとしたよ。もう少し早く出てくればいいのに。
早く出てこいって言ったってお前、オレたちは好きに表に出られるわけじゃないんだから仕方ねぇじゃねぇか。あと、後遺症なんて大げさなことは起こらないと思うぜ。多分な。実際大したことねぇさ。
「……お前、なに急に。ほんっとムカつくんだけど……!」
手首を押さえてた奴が痛みが引いたのかオレをにらみつけてきた。
といっても、こいつには仕返ししてやらねぇといけねぇな。ムカついてんのはオレも同じなんだよ!
ファイティングポーズをとって、いつものように左右にステップを踏む。それを数秒続けるうちに、オレの奴への集中力ってやつが高まっていくのを感じる。
「は? なにそれ? ふ……アハハハハ! おい、こいつなんかやり始めたぞ! なにそれカッコイイィ! 人形劇かよ!」
けど奴は自分の仲間をあおるように笑い始めた。仲間の連中も奴のあおりでオレの動きを見てニヤつき始めた。
――ガンコちゃんですか? インディくん。
なんでお前まであおんだよ。この野郎。これがオレのスタイルなんだよ。まあ、それはともかく。
「それで、やるのか、やらねぇのか。やれねぇってなら謝ってさっさと帰れよ」
「ああ? お前……。お前、調子こいてんじゃねーぞ!」
奴が踏み出して拳を振り上げてくる。顔面狙いの、テレフォンパンチ!
「ぐボぉッ!」
だが、それが届くより早く、オレの拳が奴の腹に打ち込まれた。
奴は腹を抱えて後ずさるとそのまま膝から崩れ落ちて頭を地面につけ倒れ込んだ。
ま、こんなもんだろ。
「え、え、ええ……」
っていう声のしたほうを見ると奴の仲間たちがいる。
「あんたらはオレたちに手は出してねぇが、どうせやるんだろ? ならさっさとやろうぜ」
ファイティングポーズをとってそう言ってやった。
「え、い、いや……」
だが、女二人はともかく、男二人は顔を見合わせちゃオレのことチラチラ見てくるばっかりで向かってこようとする気配がない。なんだよ、てっきり友達やられて怒り出すかと思ったが意外と冷たいやつらだな。ま、それならそれでいい。これで問題解決だろ。
「おい! お前ら何やってんだ?」
と思ったそのとき、突然デカい声をかけられた。振り向くと、どっかで見たことある男の先生が立っていた。
「誰かが暴力を振るわれてると知らされたぞ。どういうことか説明しなさい」
なんでちょうどよくこんなとこに来たんだと思ったがそういうことか。オレは現場に目を戻す。これはどう説明したもんか……。
――というよりさ、インディくん。この状況、ここから見始めた人にとったら悪役って僕たちじゃない?
なに? ……まだ四つん這いになってうずくまってる奴。その前に立ってるオレ。遠巻きにオレを見てる奴の仲間。そいつらの近くでオドオドしてる後輩。……
マジじゃん!
おいおい……おいおいおい。どうするんだよこれ! ん? いや、待てよ。別に本当にあったことを素直に言えばいいだけだろ。オレたちはやられたからやり返しただけじゃねぇか。だったら仕方がないってなるはずだ。
――だが、その目算が立つのはその話が信用されるならばの話だ。あのクズどもはこれから無かったことを色々と話し出すぞ。それで自分たちの責任を逃れ、同時に我々に報復できるんだ。少なくとも俺が奴らの立場ならそうする。
なにっ! まずいな。じゃあどうするんだよ。言い争いしようにもオレは口なんてろくに回る自信ねぇぞ。だいたい、オレやあの後輩が何を言ったって数の多いやつらの言い分のほうが信用されるんじゃねぇかっ?
「説明しなさい」
焦って頭を回してるオレの肩に先生が手を置いた。視界の端で、奴の仲間がニヤけて今にも口を開こうとしてるのが見える。
ちくしょう。問題解決したと思った矢先になんでこんなピンチにならなきゃいけねぇんだ。何も思いつかない……。
「やだな、先生。何もありませんよ」
俺は振り向くと意識して朗らかな笑みを浮かべた。人を説得する際、動揺を見せず堂々たる態度でいることが何より重要であるのは間違いない。
「何もないって、暴力が振るわれてると聞いてきたんだが?」
教師が眉をしかめて言う。そこにクズどもの一人が追い打って何か言い出そうとしているのが聞こえたが、
「それは見間違えか誤解です。もしかして俺が暴力を振るったと思ってるんでしょうか? それはないですよ。だって、ここにいる人たち先輩ですよ? しかも俺より人数も多いです。普通に考えてそんな人たちに暴力振るうなんてできないでしょう。逆ならまだしも」
と俺は機先を制して早口に言い切った。クズは言葉を止めた。オレの発言の道理に言葉を呑んだのは明らかだった。
――ミドル。お前、表に出たのか。助かったぜ。それにしても相変わらず口の回るやつだな。
――それはいいけどさ、外面作りすぎでしょ、怖いわこの人。
やかましい。俺はこれから貴様らの尻ぬぐいをしてやるのだから感謝しろ。
「ならお前たちがこの子に暴力を振るったのか?」
教師が問いただす。クズどもはそれが事実だけに鼻白んだ顔をした。が、それも一瞬、未だうずくまる奴に目を向けると昂然とした顔で何かを言い出そうとした。
「ですから先生、それは誤解です。暴力が振るわれるなんてこと起こっていません。誰が悪いなんてことはないんですよ」
しかし、俺はやはり奴らの言葉を先んじて封じた。奴らが意表を突かれた顔をする。そのような表情をするな、察しろ馬鹿ども。
「だって、先輩たち今年卒業ですよね? 進学か就職かは知りませんが、それら控えて暴力沙汰なんて馬鹿な真似するわけないじゃありませんか」
「本当か?」
ここでようやく俺の意図を察したのか、そう教師に聞かれると奴らは各々ぎこちなく頷いた。そうだ、それでいい。ここでまだ何か言うようなら救いようのない馬鹿だ。
「なら、そこでうずくまってる奴はどうしたんだ?」
「ああ。先輩ならそこに散らかったゴミを片付けようとしたときにゴミの中にトゲが混じっていたとかでそれが刺さって痛がってるだけですよ。先生が急に来たから驚いて固まってるんじゃないですか? 俺たち、ゴミ袋が破れて散らかしちゃったゴミを掃除しようとしてたんです。本当にただそれだけですよ。心配してわざわざ来てくれてありがとうございます」
俺が笑顔で礼を言うと、教師は、「……そうか? まあ、それならいい。そこのゴミは片付けておけよ」と後頭部をかきながら去っていった。
教師はいなくなった。場には弛緩した空気が流れた。
だが俺には、まだやるべきことがある。うずくまる奴の耳元で言ったほうがいいだろう。
「……成り行きはわかってるな? 今回は双方痛み分け、これで丸く収まったということで手打ちにしようじゃないか。まあ、こちらとしてはそんな手打ちにする必要など一切ないのだが、騒ぎになって万が一俺にあられもない噂が立つなどしたら面白くないからな。ただ断っておくが、俺としては先ほど、いくらでも貴様らを陥れることはできた。いや今からでも貴様らの進路を妨げるように動くことはできる。そんなことをしようと俺自身に何も得るものがないからやらないだけだ。それを重々承知して、これからは俺に関わるようなことはするな。いいな?」
奴は、何も言わない。そうだ、それでいいんだ。
「ところで、ゴミは貴様らが片付けておけよ」
それだけは付け足しておく。未だに奴らの側に呆けて突っ立っている後輩に手招きして、この場を後にする。ようやく自転車置き場に向かいながら図らずも一つため息が出た。
フンっ、これで問題は完全に解決しただろう。結局、あのような些細なことがここまでの面倒事にまで発展したわけだ。
――いやぁ、悪いっすね。インディくん。
――ぼくも、ごめんね。
何の貸しにもならない礼はいらん。
「あ、あの! 先輩! 助けていただきましてありがとうございます! 感謝感激ですよ、わたし!」
振り向くと一年生の女がいた。危機的状況から抜け出して、先ほどまでと違って表情は明るい。気に病まれて引きずると我々にとって都合が悪いからこれはよかった。
「いや、大したことじゃないよ。それにしてもわざわざ追いかけてきてくれたのか。でも君の行き先はこっちじゃないんだろう? 先輩たちがいるところを通り過ぎるのは気まずいだろうから少し先まで送るよ」
「え! あ、ありがとうございます!」
――へえ、優しいじゃねぇか。
フンっ、ただ単にこの後輩には言っておかなければならないことがあると思い直しただけだ。こんな後輩に貸しを作る意味もない。
「本当にかっこよかったですよ、先輩! 先輩がやられちゃってるときはごめんなさいって怖かったんですけど、逆転して。その後は先生を言いくるめて! でも、やっぱりわたしが嬉しかったのは先輩がわたしを助けに出てきてくれたときです! ありがとうございました先輩!」
――あれ? 僕は?
貴様、何もしてないだろう。それより、インデックスの真似をして昂然とシャドーボクシングをしているこの後輩に言っておかなければ。
「ところで今回のことだけど、誰かに言ったりしないでくれるかな? もしあのときの話が噂になったりすると俺も困ったことになるんだ。俺は今回のことは誰にも言う気はないし、あの先輩たちも絶対に言わないと思う。君が言わなければ噂にはならないんだけど……」
「はい、わかってます! 蒸し返されたら先輩にまた面倒がかかっちゃいますもんね。わたし、言いません」
わかってるじゃないか。賢いぞ。それだけ念押しできればそれでいい。
「そう。じゃあ、この辺りでいいかな。それじゃあね」
「はい! さようなら、先輩」
慌ただしい一日が終わった。
昨日のことがあって次の日の今日、ぼくはもしかしてまた何か起こるんじゃないかなってちょっと心配してたけど、特に何も起こらなくて、いま放課後になった。あとは帰るだけだ。何も起こらなそうでよかった。
「ところでさ、つかぬことを聞くけど、二人って好きな女子とかいるわけ?」
廊下もやっと気楽な気分で歩ける。と思ってたら田中くんが言い出した。
「どうしたの? 急に」
ぼくもそう言う鈴木くんと同じ意見だった。
「いや、別に深い意味はないけど、何となく。ただの雑談。で、どうなの?」
ただの雑談のわりに凄いこと聞いてくるなぁ。……好きな人、か。……。
「じゃあ、じゃあ! 後藤くんはどうなのさ? 今まで聞いたことないけどいるでしょ? こっちも言ったんだから教えてよ」
「え?」あれ、いつの間にか鈴木くんは好きな子のことを話してたみたいだ。考え事してて気付かなかった。
「い、いや、ぼくはちょっと……」
「こっちは二人とも言ったんだからそれは駄目だって! ずるいって後藤くん!」
め、珍しく鈴木くんが強引にくる。何だか言わないと怒らせちゃいそうな雰囲気。
「じゃ、じゃあ言うけど。ぼくの好きな人はね、その………………親月、天恵ちゃん……だよ」
「えっ! そうなのっ?」「マジでっ? あはははは。マジかよっ」
驚く鈴木くんに、面白そうにする田中くん。
「そうなんだ。まあ、親月さんかわいいもんね。頭もいいみたいだし。テストの後って先生が答え合わせして解説する復習の授業やるでしょ? 友達から聞いた話だと親月さん、どの教科でも一回も赤ペンを持たなかった回があったんだって。つまりその時のテストは全教科満点だったんじゃないかっていうことらしいよ。まあ、そのずっと見てたっていうその友達が見逃した可能性もあるんだけど」
鈴木くんはそんなことを教えてくれながら納得した顔をした。
「まあ、しかし、オレが惚れてるのは人瀬美咲っていう人なんだけどな」
表に出たオレはそう言っとく。
「えっ? なにそれ。どっちなの?」
おい、待て。俺が彼女と交際した際、以前別の人間を好きだと言っていては体裁が悪くなるだろう。
「いいか? 俺が狙うのは中神真実という人だ。それを覚えておいてくれ」
「うわ、また増えた」
「だったらこの際、僕も告白しとくけど、薬師寺いろ葉さんだよ。いやぁ、あの人凄いよね。ほんと色々とさ」
「ねぇ、なんなの後藤くん! 結局誰なのさ!」
「……あははははは」ぼくは笑ってごまかすことにした。「まあ、嘘は言ってないから。じゃあ、ちょっと急ぐから。じゃあね、二人とも」
ぼくは小走りに変な顔をしてる二人から逃げることにした。
うぅん……二人に適当に誤魔化したと思われちゃったかな?
――でも、それは仕方がないでしょサムくん。本当に嘘は言ってないし。なにしろ僕たち後藤一樹は五重人格なんだから。
――というかよ、それより気にしなきゃいけねぇことがあるんじゃねぇのか?
――そうだ。貴様ら、先ほど言っていたのはどういうことだ? 我々はおのおの別の人間を狙っている、というのか? 後藤一樹は一人なんだぞ。
――ミドルくん。それって、つまり?
――たとえ恋の望みが叶うにしても、叶えていいのは我らの一人。




