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恥を食らわば皿まで

「これ以上、女神様を傷つけさせない!」


 無謀にも、彼?の前へと立ちはだかった男子がいた。本来なら、女神様に背中にを向けることは、人間ごときがやっていい行為ではない。しかし、今の女神様にはそんな事を考える暇はなかった。倒れたまま、その光景をただ見ていることしかできなかった。


「どういうつもりだ?斎藤守。」


 彼?は少し、怒気を孕んで目の前にいる男子へと問いかけた。しかし、そんな事を物ともせず、その男子は彼?へと真っ直ぐ眼差しを向けていた。


「それはこっちのセリフだ!どうして、こんな事をする!女神様が苦しがっているじゃないか!」


「・・・・・・」


 彼?はただただ、斎藤守の話を聞いていた。その顔が表すのは先程の怒りではなく別の物だった。そして、「はぁ」と大きなため息をついた。


「・・・最近の若者は礼儀が出来てないと分かっていたが、ここまでくると怒りを通り越して呆れがくるな。まあ、人間に背中を向けられているのに、それを私から逃げる為に受け入れてる情けない女神を見た性でもあるか。まあ、だとしても流石にこいつは調子に乗りすぎているな。」


 そう言うと、彼?の手元に40枚程の紙が現れた。一つ一つ紙に習字のような字で何かが書いてある。その中の一枚を取り出すと読み上げた。


「斎藤守。17歳。両親は共に警察官。母は交通課。父親は警部補。故に正義感が強く、自分の事を考えずに突っ張りやすい。その為、人に好かれやすい。好きな人は、小学校から幼馴染の長谷川舞花(はせがわまいか)。彼女からもらったものは全て残してあり、手紙や貝殻などが数多く見られる。そして、つい昨日、彼女の写真を使い自慰行為をしていた。ただ、この娘とは生涯結ばれる事はない。高校を卒業した後はA大学の法学部に進学。卒業後は警察官に」


「ま、待て!」


 斎藤守は驚愕した。なぜなら、彼?の言っていた事の大半が事実だったからだ。両親の職業は本当だし、母のいる交通課も、父の警察官の階級も合っている。大学に進学した後の事は知らないが、行くと言われた大学は自分の第一志望校だ。そして、何より幼馴染の事も・・・

 チラリとクラスの方を見ると、驚愕と軽蔑的、哀れみが入り混じった視線を向けていた。


「っな、ち、ちが!」


 弁明するにはもう遅かった。幼馴染の写真でシた自分の行為をまず否定するべきだったのだ。彼は逃げる様に同じクラスにいる彼女へと視線を向けた。


「っ!」


 しかし、彼女は直ぐに視線を外した。それはそうだろう、いくら幼馴染といえど、自分の写真をそう言う事に使われていたという事実に生理的嫌悪感を感じていたのだ。


「あ、あ~、」


 彼はそのまま、膝から崩れ落ちた。それが、何の感情だったのか彼はわからなかった。ただ、それが悪感情だというのは分かった。


「・・・・・」


 斎藤守の真実を暴露した彼?は特に何も感じてはいなかった。人間のありとあらゆる壊しかたを知っている彼?にとってはまだ、ましな方だったからだ。

 虚脱状態の彼をそのままに、女神様の前まで近づく。


「ふんっ。哀れだな。私はこんなのの為にあそこまで苦労したのか。さて、こいつどうしてやろうか。まあ、私の世界の雑用をやらせるとして。まずは1年徹夜漬けにしてこいつの仕事の良し悪しを確認したからでいいか。もし、それでも使えなかったら、虫にでも堕とすか。まあ、世界の因果律がこんなにおかしくなるまでほって置いた奴だから期待はしないがな。」


 彼?は彼女の頭をつかもうと手を伸ばした時、突如大きな炎が彼?を覆った。


「ちっ!」


 そして、彼?は後方まで吹き飛ばされた。


「おいおい、俺の炎に当たっても燃え尽きない奴なんて初めてだぞ。面白くなってきやがった。」


「そんな事をいっている場合かアホ脳筋。先ずは、リアリー様の手当が先だろう。リリー」


「もうやってる。」


「それで、あやつは誰なんじゃ?」


「どうやら、神のようですよ。我らの勇者の世界の。」


 この神界に新たに5柱、神が現れた。

 


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