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絶望と女神の協奏曲:第一楽章

 異世界の主神リアリーは目覚めると、そこはどこまででも白い世界いた。


「ここは、神界?いえ、確かにそうだけど私の世界の神界ではないですね」


 そして、立ち上がろうとして気付いた。今、自分が置かれている状況に。


「何?これは?」


 今、彼女は椅子に座っており、両手と両足が鎖の様な者で繋がれていた。


「どうなってるの?どうして私はこんなところにいるの?」


 気を失う前の記憶を呼び覚まそうとするが、まったく思いだせない。今覚えている最後の記憶は、異世界の子供達を召喚したところまでだ。それ以降の記憶はなんだか深い霧にかかった様で、全くわからなかった。


「まずは、この状況なんとかしなければならないでしょうね。」


 ガシャガシャとなる鎖を、魔法を使って破壊しようとした。しかし、いくら使っても一向に破壊できる気配がしない。そんな時だった。後ろの方に誰かがいる気配がした。恐る恐る振り返ってみて、驚愕した。そこにいたのは


「水神!」


 彼女の部下たる神の1柱の水神だった。現在、水神は後ろにある見えない壁のような物に貼り付けにされていた。彼女は気を失っており、起きる気配はない。だが、生きているということは分かる。そして、彼女の下を見ると、真っ黒い何かと茶色と黒が混ざった何かが落ちていた。


「どうなってるの!」


 起きたら突然、こんな状況にいて動揺しない者はいない。何とか頭を回そうとするが、目の前で拘束されている水神に注意がそれてしまい、考えがまとまらない。


「あ、目覚めたか」


 今度は前の方から声が聞こえた。声をした方を見ると、一人の男性がいた。その時だった。雷に打たれたかの様な衝撃した。記憶にかかっていた深い霧が竜巻に吹き飛ばされ、晴れていく。


「あ、あなたは」


 口から零れた言葉はそのまま下には落ちず、彼女の頭の周りをグルグルと回った。


「なんだ?記憶でも飛んでたのか?」


 少し楽しそうに答える彼?は彼女の頭を余計に混乱させた。


「な、なぜ、あなたがこの様な事を?」


 一番聞きたかった言葉が、やっと口から出て行った。それと共に、芋づる式に様々な質問が浮かんできた。


「水神はなぜあんなことに?他の女神達は?勇者の方々は?私のせ」


「黙れ小娘。お前は今誰の許可を得て言葉を発している?」


「ひっ」


 彼の怒気迫る声に黙ってしまった。まだ、あの時の恐怖が残っているのだ。


「まあ、いいか。特別に今の3つの質問を答えてやろう。

 まず1つ目に、あの汚水神の事だが、私に攻撃してきた罰として少し痛めつけてから寝てもらってる。縛り付けているのはこの後使うからだ。

 2つ目に他の女神達はちゃんとそこにいるだろうお前の目は節穴か?

 3つ目にお前がさらって来た私の世界の子供達ならもうすでに私の烏が回収した。一度はそこにいる汚水神に転生されそうになったが、そいつの魔方陣があまりにもお粗末なので干渉してこちらの世界に帰ってこさせた。というか、仮にも女神の奴がなんで未だに魔方陣使ってんだよ。それは人間が使うもので、神が使うものじゃないだろう。三流にも程がある。

以上だ。もう、こちらの用事に移らせてもらうか。」


 彼?は早口で質問の答えて、早々に次の事に移ろうとした。しかし、またもや異世界の女神リアリーが口を挟んだ。


「ちょ、ちょっとまって下さい!どこに他の女神達がいると言ったのですか!?」


「あぁ?」


 つい先ほど言われた事をまたもや繰り返した彼女に、彼?はイラッとしたものの、質問には答えると言ってしまった為、仕方なく答えた。


「さっきも言っただろうが。そいつの足元に落ちてるそれだよ」


「・・・え?」


 彼女の頭が一瞬停止した。水神の足元にあるそれ(・・)?。この「それ」に該当するものは1つしかない。水神の下に落ちている、あの何かわならないものだ。しかし、「それ」は彼女の記憶にある女神達とはかけ離れた姿をしていた。

 あまりの事に頭がついていかない。彼?は何かわからない「それ」を彼女達と言っているのだ。


「信じられないなら、近くで見るか?」


 そういって、彼?は「それ」らを浮かすと、彼女の前まで運んだ。


「・・・・・・。」


 近くまで運んでこられて、ようやく気付いた。何なのかわからないこの2つの「それ」は間違いなく、変わり果てた彼女達だった。


「ああ、ああああ、ああああああああああああああああああああああああ!」


 彼女の絶望の一楽章が、辺りに響きわたった。

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