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女将軍  作者: 孫朴 歩啓
14/16

関ケ原の戦い

ついに開戦。

 慶長五年(一六〇〇年)。上杉(うえすぎ)討伐に向かった徳川(とくがわ)軍は、石田(いしだ)方の動きを聞きつけ、途中で大坂へ戻ることとなった。


 徳川方は、伊達に協力を仰ぎ、本隊を二つに分け進軍を開始した。


 慶長五年(一六〇〇年)九月中旬。


 東北では、上杉と伊達(だて)が激しい戦闘を繰り広げていた。


 そして、徳川本隊の半分を率いていた徳川秀忠(ひでただ)は、上田城(うえだじょう)真田(さなだ)軍と交戦していた。


同刻。徳川(とくがわ)の本陣でも、作戦会議が行われていた。


小早川(こばやかわ)殿と田中(たなか)殿の様子はどうであったか」

 そう切り出したのは、東軍の総大将・徳川家康(いえやす)、その人である。

「は。小早川殿の率いる軍は、予定通り松尾山城(まつおやまじょう)へ移動」

「田中殿も裏切りの偽装はうまくいったと」

 二人の意見を聞くと、家康は満足げに頷いた。

「うむ。さすが、黒田(くろだ)殿じゃの」

「夜襲を封じる策も、用意しております」

「さすがじゃの。あとは、三成が関ケ原(せきがはら)へ軍を動かせば、すべて作戦通りじゃの」

「そちらも、問題はないと思われまする」

「うむ。楽しみじゃの」


 関ケ原(せきがはら)での戦いは夜明けに始まった。

 戦いは一進一退の攻防を繰り返していた。

 しかし、家康(いえやす)は必要以上に焦っていた。小早川(こばやかわ)が裏切らないのである。


 昼過ぎ。徳川本陣にて。

「小早川が動かぬのぅ」

「小早川の陣に大砲を撃つのです」

「なんじゃと」

「彼の性格からして、それで動くでしょう」

「……わかった」

 天海(てんかい)に言われるままに、家康は命を下す。

「小早川の陣に向け。放てぃ!」


 同刻。小早川の陣にて。

「殿! 徳川の陣から砲撃が!!」

「…………」

「殿!」

「進軍じゃ!」

「進軍!?」

「徳川の本陣に向けて、進軍じゃ!」


 再び、徳川の本陣にて。

 慌てた様子で伝令兵がやってきた。

「大変です!」

「なんじゃ」

「小早川殿がこちらに向かって進軍してきました!」

「なんじゃと」

 また一人。

「報告! 長宗我部(ちょうそかべ)軍と毛利(もうり)軍が動き出しました」

「動かぬはずでは……!!」

 また一人。

福島(ふくしま)殿、加藤(かとう)殿、離反」

「なんじゃと」

 伝令兵はやってきた。

黒田(くろだ)殿、裏切り」

池田(いけだ)殿、離反」

「な、なにが起こって……」

藤堂(とうどう)殿、細川(ほそかわ)殿、浅野(あさの)殿、裏切り」


 怒涛の如き裏切りの連続。


「降伏なされよ。家康(いえやす)殿」

 天海のその一言で家康は降伏を決めた。


 かくして、関ケ原の戦いは終結した。

次回、黒幕が明らかに

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