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女将軍  作者: 孫朴 歩啓
12/16

関ケ原へ向けて 家康編

徳川家康目線の、関ケ原へ向けての動きです。

 秀吉殿の死後。


 五奉行の筆頭。石田三成(いしだみつなり)殿と、戦において最前線で戦ってきた者たちの対立が際立ってきておる。

 これを、前田(まえだ)殿が抑えてるが、長くはもつまい。

 高台院(こうだいいん)様と淀殿(よどどの)との不仲。


 これを利用しない手はない。


「どうなさいますか?」

「何か策はあるかのぅ、天海(てんかい)殿」

「そうですね。まずは味方を増やしましょう」

「味方か……」

「婚姻の斡旋などがいいかと」

 なるほどのぅ。

「申請は拙僧が出しておきますので」

「うぬ。頼りにしておるぞ」


 しかし。儂は石田殿に呼び出された。

「徳川殿! 勝手な婚姻の斡旋は反逆行為ですぞ」

「勝手じゃと?」

 天海が申請を出したはずじゃが……。

「どういうつもりですか?」

「こちらの不手際じゃ。すまなかった」

「…………」


 その後。

「どういうことじゃ! 天海殿」

「これが策ですよ」

「策じゃと?」

「これで、石田殿派かあなた様派かはっきりと分かれることでしょう」

「……なるほど」

「あとは、前田(まえだ)殿がなくなられてからですね」

「…………」


 そして、その時は訪れた。

「前田殿がお亡くなりになりましたね」

「じゃのぅ……」

「今日にでも何かが起こりますぞ」

「……儂はどうしたらよいかのぅ」

「拙僧が支えますぞ」

「あぁ」


 その天海の予測通り。三成襲撃事件が発生。

 なんとか、難を逃れた石田殿は、儂に仲裁を頼んできた。

「引き渡すべきかのぅ」

「なりませんぞ」

「どういうことじゃ」

「生かして、殺すですぞ」

「どういうことじゃ」

「今は隠居でもさせて、反徳川(とくがわ)勢力を集めさせるのです」

「一つになったときに滅ぼすのじゃな」

「そうです」

「わかった……」


 その後、儂は天海の指示に従い。確実に天下人の座へ近づいておった。



 慶長五年(一六〇〇年)六月。上杉(うえすぎ)討伐に出発。

 これが、きっかけじゃった。



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