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「はい。番号札になりまーす。あなたは24番ですね。」
目を覚ますと白い法衣のような服を着たお兄さんが笑顔で紙を渡してきた。正直俺は状況が飲み込めなかった。
「は・・・?え・・・夢?」
するとお兄さんはめんどくさいと言わんばかりに額に手を当てながらと溜息をついたあと笑顔に戻り懐から紙を取り出した。
「あー・・・言いづらいんだがここは死後の世界だ。君も何らかの原因で死にここに来たんだろう。俺は、一応天使ってことにはなるが下働きの平社員だからかしこまらなくてもいいからな。詳しくはこの紙に書いてあるから目を通してくれ。いろいろ混乱しているだろうがゆっくり思い出してくれ。別の案内もあるからもう行くな。良い転生を」
そういって駆け足で去っていった。
話している間におおよそ記憶がはっきりしてきたため自分が死んだことは思い出していた。そのためまずは渡された紙を確認することにした。
紙によれば、ここは死後の世界で輪廻と罰を司る役所みたいな場所らしい。奥に銀行のカウンターのような電光掲示板がついた窓口があり番号札を持ってそこに並ぶことで輪廻か地獄か判断され振り分けられるとか。詳しいシステムも載っていたが読む気にならなかったため放置することにした。
「ふむ、取り敢えず今電光掲示板は20番だしすぐ順番かな?」
近くの椅子に腰掛けながら、置いてある雑誌を手に取り読みだしてすぐに順番が回ってきた。
「24番のお客様は3番窓口にお越しください。」
3番の表示がある窓口の電光掲示板に24が点灯していることを確認し3番窓口へ向かう。
「ようこそ、死後の世界へ。番号札を拝見させて頂いてよろしいですか?・・・はい間違いありませんね。ではそこの認証機に手を乗せてください。生前の記憶から自動振り分けさせていただきます」
番号札を確認してもらうと、そう指示された。
認証機?とも思ったが目の前にスパイ作戦よろしくなタッチパネルのようなものに手のひらのマークが書かれたものがあったため、おそらくそうだろうと手をかざした。しばらく待つと表示されたゲージが99%に変わったところで機械からぴーっと音がなった。
「あー・・・あなた、御剣 蓮さんですね。ちょっと上司に確認してまいりますので手を離してお待ちください」
そういってお姉さんはパタパタと走り去っていった。
「えーまさか地獄行きかぁ?」
他の窓口を見ても俺と同じように止められている人はいないし、段々不安になってくる。とは言え、罪を犯した覚えは無い。もちろん、食事はするため他者の命を奪ったと言われればそれまでだが、それならここにいる人全員止められなければおかしいだろう。
そんなことを考えていると受付のお姉さんが慌てた様子で戻ってくる。
「御剣 蓮さん。奥で女神様が直接お話があるそうです。申し訳ございませんが奥の執務室にご同行願えませんか?」
そういってこちらの返答は聞かずお姉さんは俺の手を取り引っ張って行く。
そう役得である。お姉さんに手を掴まれて嬉し恥ずかしどぎまぎしながらされるがままついていくことにした。
「えぇ」
照れ隠しに嫌そうな素振りを見せながら。
プロローグも1話めも短い・・・くっつければよかった。笑
10話くらいまでは書き溜めてあるのですが、理数系人間が小説なんて書いちゃダメですね・・・地の文がサラリとしすぎて嫌だ。
こんなかんじで進みますがよろしくお願いいたします。