石じじいの話・引用:ゴミ捨て場でのネズミの襲撃
野営するときは、場所を慎重に選ばないといけません。
鉄砲水や落雷、野生動物の接近などに注意しろ、とじじいはよく言ってました。
また、テントを建てないで野営すると、夜間に露が降りて、朝、服からバッグまでびしょ濡れということがよくあったそうです。
山中では、濡れた衣類はなかなか乾きません。
初出:
海・山にまつわる怖い話・不思議な話
167 名前:本当にあった怖い名無し Mail:sage 投稿日:2020/01/02(木) 15:19:13.03 ID:yBik2Aa20
石じじいの話です。
ある夜、ゴミ捨て場の近くで野営したそうです。
テントを設営していると、ゴミ捨て場の管理人が来て、もう少し離れたところに野営しろと言いました。
「もう少したって、夕方になったら、火つけて、ゴミを焼くけんね、あぶないで」
ゴミ捨て場からは臭いもなく、ちょうど平地だったので適地だったのですが、じじいは、より山側に移動しました。
その人は、ゴミに火をつけて、ゴミ捨て場は長い間赤々と燃えていました。
夜になって、じじいがテントの中でくつろいでいると、急にガサガサとテント布を擦るような音が。
じじいがテントから顔を出すと、たくさんの黒影がうごめいています。
懐中電灯で照らして見ると、ネズミの群れが地面を覆い、テントにも真っ黒になってかきついていました。
じじいは、急いでテントの入り口を閉じて、内側からテント布を叩いて、ネズミを振り落とし続けました。
大群にテントに入ってこられたら大変なので必死だったそうです。
時間が経って、ネズミがいなくなったらしいので、じじいはテントからおそるおそる顔を出しました。
ネズミはいなくなっていました。
怖くて、その夜は眠れなかったそうです。
ネズミを避けるためにテントの周りに枯れ木を積んで火を焚きつづけたました。
うす明るくなるとすぐにテントをたたんで、その場をあとにしたそうです。