表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/387

石じじいの話・引用:花を咲かせる大徳

じじいの話の書き取りメモには、彼以外から聞いた話も混じっています。

仏道修行は一生続くというのでしょう。

初出:

海・山にまつわる怖い話・不思議な話 2


746 :本当にあった怖い名無し:2019/06/15(土) 14:51:44.51 ID:jkq4pwhQ0.net


石じじいの話です。


と書きましたが、これは他の人からの話かもしれません。

じじいからの聞き書きメモの中には、別の人(特に、村の真言宗の寺の住職)からの聞き書きも混じっていますので。


ある寺に大徳がいらっしゃいましたが、彼が朝、厠に立たれたまま帰ってこられません。

納所坊主が怪しんで彼を探しましたが、厠にも寺の内外にも姿が見えない。

厠には、脱いだ草履が残されていました。

見つからず長く年月が経ち、亡くなったものとして葬儀が行われて墓が建てられました。

それから随分年月が経ってから、その寺に一人の炭焼きがやってきて言うには、

自分は山奥で僧侶の姿を見た。その僧侶は石の上に座り絶命している。

とにかく僧形なので寺の人だろうと思い、この寺に知らせに来た・・・

その寺の人と村人が、その炭焼きに案内されてその山に登りました。

そこには、老僧が印を結んで石の上に座していたそうです。

着ていた着物はボロボロ。

手に持っていたであろう数珠は切れてバラバラ。

遺体には苔が生えていたそうです。

死後長く経っていたのに、不思議にその体は白骨化して分解することなく、なかばミイラなのようになっていたと。

そのため、顔貌から昔、行方知れずになった高僧であるとわかったのです。

彼は上を向いて口を開いていました。

その口には土がたまり、そこに一本、空に向かって草が伸び、花が咲いていたそうです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ